会社への行き帰りのみが、私の自由な時間。メールを打ったりぼけっとしたり。このところ、ずっとDSの音を聞いていた。

・・・ケロちゃんてこんなに歌、ヘタだったっけ?

うわーん。歌、ヘタだと思ったことないと前に書きました。本当にそう思ってたんです。でも音だけ聞いていればこんな風に聞こえるんですね!?しくしく。私は聴覚より視覚優先の人間なので、気が付かなかっただけかなぁ。

いや、というより、DSの時に聞こえていた歌と、音だけ取り出した歌が違うように聞こえるのでびっくりしていたのだ。

一体あれはなんだったんだろう。最後のDS、最後の宝塚での舞台、集まって来るケロファンの友人たち、客席に現れるジェンヌさんや関係者たち。そんな中で一種の興奮状態だったのかもしれない。

何より、美しく、本当に美しく、かっこ良くて余裕すら感じるその汐美さんの姿に見惚れて、飲み込まれていたのかも。

幸せな時だった。もう二度と味わえない大切な時だった。

      ☆

聞きながら、思い出しながら思ったこと。

私は月時代からのファンなので、雪時代の歌は「こういう歌を歌っていた」と言うことしか知らなくて、それをまた生で聞くことができて嬉しかった。

もし星からのファンの方がいらしたら、それは同様に思われるだろうと思った。上手に汐美真帆の年代をバランスを取ってみせてくれていたのだ。

「こわれたオモチャ」の時、娘役さんたちが着ていた服は、ケロちゃんが愛した相手役の衣装だった。「血と砂」のドンニャはご丁寧に(笑)胸元のボタンまで外していた。「凍てついた明日」の派二ーはわかった。あと一人、ピンクのワンピースは誰を現していたのかな?

その後、インストゥルメンタルの曲に合わせて、台の上で南海まりちゃんと踊るのだけど、この時の表情がやさしくて、色っぽくて。いつも舞台上でとろけるような顔で娘役さんたちをエスコートしていたあの笑顔。大きな手で腰を抱え、手を取る。いかにも男役といった風情で大好きだった。

そしてグリーンの衣装のまりちゃんは台の向こうへ去って行く。せつなくて甘い旋律と二人の醸し出すムードがぴたりとはまったワンシーンだった。

ケロちゃんならではの特性を見事に切り取り、再現していたオギーはよく生徒を見ている。よく見ているというより、瞬時に捉える能力のある人なんだろうと思う。

“ああ、この人は芝居が好きなんだな”と思ったのが、ルパンのシーン。娘役さんたちが警備員になってうろうろしているとき、忍び込んだケロルパンが、あちこちに隠れたりしていた。その時、自分の身体を自分で抱くようにして、恋人たちが二人で抱き合っているようなフリをしていた。腕が長いからできることだし、1回目、2回目ではやっていなかったような気がする(してたらごめんなさい)。わずかな芝居っけのシーンでそういう風な振りを入れてしまうんだなぁと思って見ていた。

ケロちゃんのために書かれたフルコーラスの歌というのは、「地上の龍」と「血と砂」と「Platinum」かな。「スペシャルセミナー」もそうだけど、本人のためというよりセミナーのための曲(笑)。

今回のDSのテーマ曲も入れると、この4曲の詩を書いてくれたのが、齋藤、藤井、荻田の各先生方なのだ。

今の宝塚で力と勢いのある若手演出家たち。藤井先生が昭和44年生まれで、齋藤先生、荻田先生は昭和46年生まれだそうだ(産経のサイト参照)。ケロちゃんよりも若いけれど、入団年はケロちゃんの方が先なので、「ケロさん」「○○クン」と呼んでいる感じだ。

彼等が伸びていくそのまっただ中で、ケロちゃんのための曲は作られたのだな、と思うと何となく嬉しい。

彼等はこれからも在団し続け、宝塚や外部の作品を作り続ける。若くていろいろあったであろう年月、ケロちゃんと過ごした若い日々を忘れないでいてくれると嬉しいなと思う。

こんなとこかな、DSの感想で書いていなかったことは。思い出したらぽつぽつ書くかもしれません。

そうそう、ひとつ心残りがある。DS千秋楽、スタンディングをすればよかった!後方席の方々は立ってくださっていたようだが、あれって前方席の人が立たないと連鎖反応が起こらないからな。そうしたら、もっと泣いちゃってたかもしれないけどね(苦笑)。

今回のDSで言葉の魔術師・オギーらしい部分というのがあと一つ残っている。

それはプログラムのパーツ別タイトル。一応、書き留めておく。
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TANGO〜JAZZ
“素敵なあなた”

ノスタルジア
“Veni O Bella"

LUPIN
“Something Anything”

闘牛士
“美しき日々”

J style 〜 Latin
“COPACABANA"

THE LAST
“Legend and so on・・・”
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荻田先生、そして汐美さん、素敵なショーをありがとう。

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