コシノヒロコ展

2004年11月23日 宝塚
芦屋市立美術博物館で開催されていた「コシノヒロコ展」へ行ってきた。

本当は21日の最終お稽古日に入りの後、行こうと思っていたのだが、息子の発熱で行けなかった。会期は今日までなので、行くなら行かねば、と思っていたが、お昼寝が長引いてしまい、出るのが遅くなってしまった。

芦屋市立美術博物館は芦屋の浜側にある。駅から歩くには少しある。谷崎潤一郎記念館や芦屋市図書館などと一群になっていて、住宅地に埋もれるようにある。グリーンも多く、手入れもされていて雰囲気のよいところだ。

芦屋市の財政難もあって、閉館だなんだと騒がれているが、なかなかよい美術博物館だ。面白そうな催しの時は時々行っていたし、図書館には「血と砂」の原作本を読みに来ていたこともある。

周囲は一方通行が多くて、ぐるぐる回ってしまう。駐車場は芝生敷きだし、停まっている車はベンツだアウディだBMWだばかりでぶつけないように気を遣う。ほとんどスペース埋まっていても、身障者用スペースがちゃんと空いていてお行儀がよい。

美術博物館の外構にはコシノヒロコ展の幕が張られていてかなり力の入った催しだと気付いた。受付まで誘導してくれる係員がいたり、チケット売り場から入り口までは中が真っ赤な(コシノヒロコレッドというそうだ)トンネル状のエントランスがあったりして、普段はひっそりしている美術博物館とはかなり雰囲気が違う。

息子をベビーカーに乗せて行ったのだけど、ちゃんとスロープになっていたし、エレベーターも教えてくれたりして問題なかった。

受付前では立札を持った人が、サイン会の行列を作り始めていた。どうも今日、1時と3時でコシノヒロコさんのサイン会があるらしい。会期の最後の日に来るんだぁ、と思いながら会場へ。

展示は14ブース、1階と2階に分かれていて、洋服はもちろんテキスタイル、絵、水墨画、書、ファッションイラスト、映像などもりだくさん。すぐ間近で洋服を見ることができて感動。

洋服はもちろんだけど、絵も書もものすごいエネルギーを感じる。ひとりの女性がこれだけ生み出せるものかと驚く。

もっとじっくり見たい思いながら駆け足で。入館者は最終日ということもあるのだろうか、かなり多くて、その間を縫うようにベビーカーを押して歩く。息子が飽きる前に見てしまわないと、この中で騒がれてはご迷惑だろう。

宝塚関連の衣装は、最後の14番目のブース。いつもはテーマ関連講義があったりする場所だ。

聖母の絵なども配置してひとつのセットのように組まれた空間の中に「ドンファン」で使われた衣装がかなりの量、立っていた。無造作、というと言葉が悪いけど、そんな感じでぎっしり立ててあるのだ。もちろん、カバーなどなく触れるところ。触っている人はいなかったが。

私は出産時期だったので「ドンファン」は観ていないのだけど、リカさんや幸ちゃん、えみくらちゃん達が着ていたはずの衣装がそこにそのままあった。ガクランもあって「これを着ていたのか〜」とその細さに驚いたり。

後はミュージアムショップでも見て帰ろう、とショップに入ると携帯が鳴った。

汐美ファンの友人からだった。なんと、サイン会の列にいるという。まさかこんなところまで来ているとは、と驚く。だってかなり駅から遠いし。歩いて来たらしい。

図録を買って来るとサインしてもらえるよ、と言われる。なるほど。一人だと飽きた息子を持て余すだろうから並ぶ気力もないが、友人がいてくれたら、ベビーカーから降りた息子を追いかけ回すこともできるか、と思い図録を買ってショップを出る。

友人はせっかく並んでいたのに、再度私と並び直してくれた。

少し押しつつ、3時過ぎに先生登場。庭の一角に置かれた長テーブルでサイン会が始まった。

列が動き始めた時、庭を歩いて来る金色の頭。普通の人とはスタイルが全然違う。

「ゆうひちゃんとるいちゃん!」友人と驚き合う。まさか今日、来るとは。こんなところで会うとは。昨日、バウの楽で打ち上げ等もあったろうに、タフだなぁ。

サイン会が行われている庭のすぐ横には、ガラス張りのちっちゃな喫茶店がある。そこに男性2人と入っていった。サイン会の様子が一番よく見えるテーブルに座る二人。残念ながら西日が強かったのでゆうひちゃんはブラインドを半分位降ろしてしまった。

そのブラインドの下から時々顔を覗かせてコシノ先生の様子を見ているのが可愛い。

二人の向かいに座っていた男性はどうも市長らしい。でも、会場に“タカラジェンヌ来場!”などとは書かれていなかったから、半分お仕事半分プライベートってところか。

月組、着物ショーメンバーはコシノ先生とお付き合い続いているようだから。汐美さんも。DSには1日目に来られていたそうだし。

汐美さんも忙しくなければ来ていたかもしれない、などと思う。残念。

サイン会の列は進む。息子はなんとか大人しくしてくれている。

整理券の裏に名前を書いておくと、名前入りでサインしてもらえるらしい。

サインが済んで、庭でサイン会の様子をみつつ、喫茶店の中のゆうひくんたちの様子を見ていた。なかなかこんなにゆっくり見ているチャンスはないし。喫茶店の中に入りたいな、とちょっと思ったり。

息子がとうとう飽きがきてしまったので、ベビーカーから降ろして庭で遊ばせる。大喜びの息子。

サイン会は30分と言っていたのに、1時間近くかかってやっと終わった。拍手が巻き起こり、先生もご挨拶。

しばらくしてサイン会を見ていた人たちも帰っていき、庭は静けさが戻ってきた。

ゆうひくんたちが出て来るかと思っていたが、先生が喫茶室に入ってしまい、腰を落ち着けてしまわれた。

友人もタイムリミットということで会場を後にする。おそらくこれから先生達と一緒に会場を観て、その後会食って感じではないだろうか。庭先にはハイヤーも停まっていたし。

有意義な休日だった、と頷き合いながら友人を駅まで送り、買い物して帰る。芦屋のスーパーはやっぱり高級車ばかり。でも芦屋の雰囲気は大好き。そういうことがごく普通でのんびりしていて。芦屋市立美術博物館もなんとか存続してもらいたいな、と思う。

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