歯医者に行ってきた。
私は前歯の1本が差し歯なのだけど、噛み合わせが悪いというか、なんだか少し動いているような感じだったのだ。
先日、息子に添い寝していて、寝ぼけただかふざけていたか忘れたが、口を強打されたのだ。1歳半の子供の力と侮ってはいけない。振り回す手には加速度がつき、かなりの破壊力を持つ。
この前はハードコンタクトレンズ入りの眼を押さえつけられ角膜に傷がついてしまったし、顔をひっかかれて目の下を怪我して出血したし、キスされたついでに唇をがりっとやられたし。
子育ては戦いだ。母は常に敗者だ。
差し歯のぐらつきをかつて放置し、根元からやりなおし、という痛い目にあったことがある。7万円もした陶器製の差し歯がパア。くすんくすん。それでなくても20歳前後で入れた差し歯は、そろそろ根元が寿命か、同じ頃に差し歯にした妹も全てやり直す羽目になっていた。
面倒だし、痛いかもしれないし、お金もかかるし、行きたくない気持ちを奮い立たせたのは、ケロちゃん退団。退団するまでにもし前歯が急に炎症起こしたりしたら、どーにもならない。歯の痛みは本当に気力を萎えさせるから。10年以上お世話になっている歯医者に電話し、予約を取った。
診察してもらうと、歯槽膿漏系ではなく、ぐらついているだけだろう、とのこと。隣の歯と接着剤みたいなものでつないで補強し、2〜3週間様子を見るという。それでぐらつきがおさまった後、差し歯を入れ替える(差し歯そのものも欠けてしまっていたため)ことになった。
根っこの不具合でないと聞いてほっと一息。根っこまでやり直すとなると大事だから。何度も通わねばならなくなる。
歯槽膿漏チェックとスケーリング(歯石落とし)、一箇所小さな虫歯があったのでそれも治してもらい、また来週。
帰り際にレントゲンを見せてもらう。やはりかなりひどくやられたらしい。歯の根を支える筋肉というか筋みたいなものが、すぱーっと切れているのが黒くなってうつっていた。要するに歯の靭帯損傷か。
しばらく固定しておくとこれが再生するらしい。そのためには、固いものは噛まないこと、マウスピースをはめておくことを言われた。
やはり早めに行ってよかった。このまま気になるからと歯をぐらぐらさせていたら、再生するのもしないだろう。年末年始で食べる機会も増えるし。
自分で気をつける分は気をつけるが、息子の不意打ち攻撃を止めるのはかなり難しい。添い寝前にマウスピースでガードかなぁ。
☆
なんで私が自分専用のマウスピースなんて持っているか。
実は宝塚とふかーい関係がある。
最初に歯の痛みを感じたのは、真琴つばささんの退団公演中だった。なんだか歯というか口の中のあちこちが痛いのだ。小さい頃から歯はあまりよくなくて、治療痕のない歯はないという位、虫歯だらけの私。またか・・と思いつつ、痛みが少ないうちに歯医者に行った方が、治療が簡単に済むのでその時も忙しい観劇の合間を縫って診察に行った。
だが、虫歯ではなかった。先生は私に鏡で口の中を見せながらいった。「見てんな、歯の先が磨り減ってつるつるや。光ってるやろ?」
夜中に寝ているうちに歯ぎしりしているか、仕事など集中しているときに歯をかみ締めているなどで歯が磨り減り、さらに歯に圧力がかかって根っこにダメージを与えてしまう、そんなことを説明された。
「マウスピース作って、寝るときとか仕事中とかはめとくほうがええで」でもかなりお高くて、5桁するという。
よく考えます〜と言って、そのときは私は逃げ出した。だって、理由はわかっていたもの。土日、大劇場に通い詰めて、オペラ上げて舞台上を文字通り、食い入るように観ているんだもの!観劇中は歯を噛みしめているんだもの!
案の定、楽が過ぎると、痛みはおさまった。
再び私の歯が痛み出したのは、それから4ヶ月後。月組バウ公演「血と砂」の公演中だった。
バウと青年館の間に歯医者へ。「またやで。ストレスもあるんちゃうか?」
あるでしょうなぁ。いろんな意味で。またマウスピースを勧められたが、お断りしてスケーリングだけしてもらって退散。
要するに、集中の度合いが過ぎる公演があると、私の歯は悲鳴をあげるらしい。
さらに出産後の「王家に捧ぐ歌」の時、再発。単に噛み締め過ぎで痛いんだったら放っておくんだけど、虫歯や根っこの炎症の可能性もあるから、歯医者に駆け込まざるを得ない。出産直後でいきつけの歯医者までは行けず、家から一番近い歯医者に行った。
結果、やっぱりやっぱり「噛み締めすぎ」。えーん。
観念して、マウスピースを作ることにした。治療目的なので、保険が使えるというし。それでもかなり高かった。
マウスピースは半透明の素材で、上の歯全体にかぶせるようになっている。結構がっちりしているので、はめて寝るのはちょっと辛い。できればはめたくないが、はめて寝ると確かに翌朝、歯の痛みは軽減されている。観劇中だけではなく、寝ている間にも噛み締めているんだな。
今回も息子に暴力をふるわれただけではなく、自分でも噛み締めて悪化させたんだろうな。
だって、汐美さんの退団公演だもん。ご贔屓さまの退団だもん。歯くらい、噛み締めるわよ。
嫌だもん。辛いもん。
でも、もう、こんな風に、歯にダメージを与えながら観る公演って、ないだろうな。きっと。
私は前歯の1本が差し歯なのだけど、噛み合わせが悪いというか、なんだか少し動いているような感じだったのだ。
先日、息子に添い寝していて、寝ぼけただかふざけていたか忘れたが、口を強打されたのだ。1歳半の子供の力と侮ってはいけない。振り回す手には加速度がつき、かなりの破壊力を持つ。
この前はハードコンタクトレンズ入りの眼を押さえつけられ角膜に傷がついてしまったし、顔をひっかかれて目の下を怪我して出血したし、キスされたついでに唇をがりっとやられたし。
子育ては戦いだ。母は常に敗者だ。
差し歯のぐらつきをかつて放置し、根元からやりなおし、という痛い目にあったことがある。7万円もした陶器製の差し歯がパア。くすんくすん。それでなくても20歳前後で入れた差し歯は、そろそろ根元が寿命か、同じ頃に差し歯にした妹も全てやり直す羽目になっていた。
面倒だし、痛いかもしれないし、お金もかかるし、行きたくない気持ちを奮い立たせたのは、ケロちゃん退団。退団するまでにもし前歯が急に炎症起こしたりしたら、どーにもならない。歯の痛みは本当に気力を萎えさせるから。10年以上お世話になっている歯医者に電話し、予約を取った。
診察してもらうと、歯槽膿漏系ではなく、ぐらついているだけだろう、とのこと。隣の歯と接着剤みたいなものでつないで補強し、2〜3週間様子を見るという。それでぐらつきがおさまった後、差し歯を入れ替える(差し歯そのものも欠けてしまっていたため)ことになった。
根っこの不具合でないと聞いてほっと一息。根っこまでやり直すとなると大事だから。何度も通わねばならなくなる。
歯槽膿漏チェックとスケーリング(歯石落とし)、一箇所小さな虫歯があったのでそれも治してもらい、また来週。
帰り際にレントゲンを見せてもらう。やはりかなりひどくやられたらしい。歯の根を支える筋肉というか筋みたいなものが、すぱーっと切れているのが黒くなってうつっていた。要するに歯の靭帯損傷か。
しばらく固定しておくとこれが再生するらしい。そのためには、固いものは噛まないこと、マウスピースをはめておくことを言われた。
やはり早めに行ってよかった。このまま気になるからと歯をぐらぐらさせていたら、再生するのもしないだろう。年末年始で食べる機会も増えるし。
自分で気をつける分は気をつけるが、息子の不意打ち攻撃を止めるのはかなり難しい。添い寝前にマウスピースでガードかなぁ。
☆
なんで私が自分専用のマウスピースなんて持っているか。
実は宝塚とふかーい関係がある。
最初に歯の痛みを感じたのは、真琴つばささんの退団公演中だった。なんだか歯というか口の中のあちこちが痛いのだ。小さい頃から歯はあまりよくなくて、治療痕のない歯はないという位、虫歯だらけの私。またか・・と思いつつ、痛みが少ないうちに歯医者に行った方が、治療が簡単に済むのでその時も忙しい観劇の合間を縫って診察に行った。
だが、虫歯ではなかった。先生は私に鏡で口の中を見せながらいった。「見てんな、歯の先が磨り減ってつるつるや。光ってるやろ?」
夜中に寝ているうちに歯ぎしりしているか、仕事など集中しているときに歯をかみ締めているなどで歯が磨り減り、さらに歯に圧力がかかって根っこにダメージを与えてしまう、そんなことを説明された。
「マウスピース作って、寝るときとか仕事中とかはめとくほうがええで」でもかなりお高くて、5桁するという。
よく考えます〜と言って、そのときは私は逃げ出した。だって、理由はわかっていたもの。土日、大劇場に通い詰めて、オペラ上げて舞台上を文字通り、食い入るように観ているんだもの!観劇中は歯を噛みしめているんだもの!
案の定、楽が過ぎると、痛みはおさまった。
再び私の歯が痛み出したのは、それから4ヶ月後。月組バウ公演「血と砂」の公演中だった。
バウと青年館の間に歯医者へ。「またやで。ストレスもあるんちゃうか?」
あるでしょうなぁ。いろんな意味で。またマウスピースを勧められたが、お断りしてスケーリングだけしてもらって退散。
要するに、集中の度合いが過ぎる公演があると、私の歯は悲鳴をあげるらしい。
さらに出産後の「王家に捧ぐ歌」の時、再発。単に噛み締め過ぎで痛いんだったら放っておくんだけど、虫歯や根っこの炎症の可能性もあるから、歯医者に駆け込まざるを得ない。出産直後でいきつけの歯医者までは行けず、家から一番近い歯医者に行った。
結果、やっぱりやっぱり「噛み締めすぎ」。えーん。
観念して、マウスピースを作ることにした。治療目的なので、保険が使えるというし。それでもかなり高かった。
マウスピースは半透明の素材で、上の歯全体にかぶせるようになっている。結構がっちりしているので、はめて寝るのはちょっと辛い。できればはめたくないが、はめて寝ると確かに翌朝、歯の痛みは軽減されている。観劇中だけではなく、寝ている間にも噛み締めているんだな。
今回も息子に暴力をふるわれただけではなく、自分でも噛み締めて悪化させたんだろうな。
だって、汐美さんの退団公演だもん。ご贔屓さまの退団だもん。歯くらい、噛み締めるわよ。
嫌だもん。辛いもん。
でも、もう、こんな風に、歯にダメージを与えながら観る公演って、ないだろうな。きっと。
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