芸術祭優秀賞

2004年12月24日 宝塚
今さらだが、「ドルチェ・ヴィータ」が文化庁の芸術祭優秀賞を受賞したそうだ。

その第一報を聞いた時思ったのは、「文化庁、あれでいいんでしょうか?」だった。痛いのは充分自覚しているが、大劇場版(東宝版も)の「ドルチェ・ヴィータ」、某退団者のための仕様がかーなーりー組み込まれている。

はっきり言って、普通のショーとはちょっと違うのだ。

もし、ケロちゃんが退団しなければ、あのような作品にはならなかった。もっと違うエンディングが用意されていたことだろう。足出しロケットもあったかもしれない。

私は退団者のファンだから、もちろんあれでいい。でも、宝塚のショーとしてあれが普通だとは言えない。なのにそのショーが評価されたというのは、ショーを作り替える原因となった者のファンとしてはなんだか複雑なのだ。自意識過剰だろうか。

芸術祭にエントリー(?)できるのは、ある時期に上演されていることが条件だから、オギーはこの作品が評価対象になるということは重々承知だったろう。それでも、あのように作り替えてしまった。ためらいはなかったろうか。変えることで賞を逃すかもしれないということは思わなかったろうか。

文化庁の評価担当者は、あのショーをどう観たのだろう。退団者仕様になっていることは気がついただろうか。

多分気がつかなかったのではないか、と思う。ああいうものだ、とごく普通に思ったのではないか。それでも評価できる、と考えたと思いたい。

ま、実際は、ああいう賞って出来レースとはいわないが、下準備というか根回しが重要な気がするが。

退団者ファンが観れば、感涙ものの(サヨナラ)ショーに。

普通の宝塚ファンが観れば、オギー色の強い幻想的なショーに。

文化庁の人が観れば、(一応)芸術性のあるショーに。

観る側がどんな立場に立っていても、それぞれに「観たいように」見えるという不思議なショーだと思う。なんとも多面的な不思議なショーだ。オギーはそれを計算してやっていない。なんとなく、作ってしまっているのだ。

改めて、すごい作家だなぁ、と思うと同時に、この時期に、このメンバーで、この作品に巡り会えたことを、感謝したい。この作品であることが、汐美さんに退団を決意させたのだとしたら、それも巡り合わせなのだろう。

受賞で文句があるとしたら、作品タイトルですな。お願いだからサブタイトルまで入れて欲しい。「ロマンチカ」だなんて、誰も思っちゃいないよー。

     ☆

緑野師匠、お風邪、大丈夫ですか?それなのに夜バスで。お芝居でしっかり睡眠とって、体調整えてくださいね。いやいや・・・。

私は何もしていませんが、師匠にお願いしたいのはこれからもこの日記を書き続けてくださることですわ!それが何より読者が喜ぶことだと思います。これからもよろしくお願いいたします。

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