色気に出し方はあるか?
2005年4月14日 宝塚仲間内ではトンデモ作品認定な「さすらいの果てに」だけど、前もって予備知識を仕入れてから観ると、まだマシという感想を漏らす人もおり。
ま、私たちはあまりに仲間内でネタにして盛り上がってしまったせいもあるかも?なので、生徒さんのファンの方々、私たちのたわ言なぞあまり気にされないでくださいね。軍服の美しさで目の保養になることは確かです。
さて、朝日新聞の夕刊に「たから図鑑」という小さなコラムが毎週掲載されている。関西の人しか読めない記事と思っていたが、ちゃんとサイトに載っていた。
昨日は渦中の人(違うって)、壮くんだった。
http://www.asahi.com/kansai/takara/OSK200504130019.html
記事の中で壮くんは言う。
「このせりふを書いた時の気持ちは?」「言葉の最後にびっくりマークがあるのはなぜ?」。と。“けいこ場では作、演出担当の中村暁さんを質問攻め”なんだそうだ。
うーんうーん。きっと壮くんも私たち同様、いろいろ悩んだんだろうなぁ。あの脚本。それでもきっと、解決しなかったんだよね?でもどうしようもないよね。脚本にどっぷり身を沈め、作品を作り上げるのが主演男役候補の役割だ。
壮くんは今回、それはちゃんとしっかり、やっていると思う。
あの水くんだって、私がトンデモ認定している「フィガロ」を主演していた。青年館まで埋めていたよ。それでこそ、主演男役候補としての力が底上げされる。主演男役になったところで、まっとうな脚本が来るとは限らないのは、今の大劇場公演を観ていてもわかること。だからこそ、主演男役たちのファンは「任期中になんとか持ち味を生かした代表作に当たって欲しい」と切望するのだ。そうじゃない作品でもなんとかしなければならないのが、主演男役だ。
もし私が「さすらいの果てに」の脚本で主演しろといわれたら、怒って投げ出してたかもしれない。私、根性なしだから。でも壮くんはなんとか作品に仕上げていた。シメさんが演技指導に入られていることも関係しているかもしれないが、男役(特に真ん中)としての見せ方も自分の中の課題にしていたのではないかな?キザっつーか、クサいっつーか、いかにも宝塚な雰囲気を漂わせることに成功していた。
主演男役は「真ん中にいること」が一番の役割なのだ。周辺に置いといたら邪魔にしかならないから、真ん中に置くしかないんだ。それもまた才能だ。わたるくんしかり(kineさんごめんなさい)、タカちゃんしかり、さえちゃんしかり。タニちゃんもそうだよなぁ。
また壮くんは言う。
「今は自分の考えにこだわらずに先生が思い描く理想像に身をゆだねて、男役の引き出しを増やしたい」。
健気だなぁ。ほろほろ。あのジェフリーが先生の理想像なのか。そうなのか。きっと電波系とわかっていてやってるんだね。
新聞記事では、見出しは「理想像に身をゆだね」だけが大きな文字で書かれている。確か新聞記事って、見出しは記者が書かないよね?記事を読んだ校閲(だっけ?)が書くんだよね。あの舞台観てたらここを見出しにするのはあまりに気の毒、と思ったはずだ。
ちなみに、ネットには載っていないが、これは署名記事。記者は男性だった。あの舞台を観て(観たよね?観たよね?)、中村A先生の理想像をどう思ったのか、聞いてみたいものだ。
ただ、記事の中で私が「ん?」となったのは、写真のキャプション。
「色気のある男役になりたい」と言う壮一帆さん、とあった。
え?そうだったの?壮くん、色気派を目指してたの!?全然気がつかなかったよ。どっちかっていうと爽やかな正統派を目指していたと思っていた。研10で研7のかなめちゃんの色気に負けていたような気がしたが?
緑野師匠の分類に従うと、壮くんは「月-健康」のはずだ。師匠に確認するとOKとのこと。さらに温度は「ふつー」だそうだ。これって、かしげちゃん路線一直線。色気とは対極にある持ち味だ。よいお友達だねっ、で終わるタイプ。ああ、宙組と並ぶ、宝塚漂白剤組=雪組。まだ花の頃の方が壮くんは色気があったと思う。
こ、こういう人が色気を出そうとすると、どうすればいいんでしょ?もう研10だし、そっち方向じゃなくて太陽に転換してぱあっと明るいスターを目指した方がいいんじゃないかと思うが。
温度を上げまくって、イッちゃった主人公を魅力的に見せたのが「愛燃える」の新公なんだろうか?私は観てないけど。そっち方向への舵取りもあり、か。
☆
2002年10月19日、千里で小山乃里子さんと汐美さんのトークショーが開かれた。もちろん、友人たちと誘い合わせいそいそと行く私。この頃、もう実はそろそろお腹が大きくなりかけてたんだっけ。
師匠もいらしていていたそうだが、もちろんまだ知り合いでも何でもなく。でもとてもインパクトの強い質問をされた方がいらして、後日「ああ、あの質問された方ですか!」と(笑)。
そのトークショーの中で、小山さんが「ケロに色気なんかあるかぁ?」と私たち観客に問いかける形で暴言(失礼)をおっしゃった。
沈黙する私たち。そこに来ていたのは筋金入りのケロファンがほとんどのはず。その100%に近い数字の人間は「色気ある」と思っていたはずだ。でも舞台上の小山さんにそこで反論する勇気のある人はおらず。
トークショー後、会場を近くのホテルに変え、会のバースディパーティが開かれた。お茶会よりもう少し人数が絞られた内々の集まり、みたいな感じ。時間もゆっくりとられていて、テーブルごとに一人ずつ質問が受け付けられた。
そこで、「小山さんはああおっしゃっていたけど、色気がないとは私たちは思っていない。どう思われるか?」というようなことを質問された方がいた。
はっきり覚えているわけではないが、ケロちゃんは確かこんなことを答えていた。
「色気があると思っていただけるのは嬉しい。もしそう思っていただけるなら、それは、私が入団した頃、なつめさんなど色気のある男役の方がたくさんいらして、“ああなりたいなぁ”と思ってよく見ていた。だからではないか」と。
思っただけで、見ていただけで、色気は出るものではないだろうな。また形を真似するだけでも、出ないだろうな。もちろん、真似することから入るんだろうけど。
ケロちゃんの色気の秘訣?秘密?はなんだったんだろう。オフの汐美さんはとーっても薄くて色気に満ち満ちているタイプではなかったし。舞台に出ると色気スイッチオン、フェロモン垂れ流し状態だった。
そのフェロモンにやられちゃった私は、ちょっとやそっとじゃ満足できないカラダに(笑)なってしまった。えらいこった。あれ以上の色気のある人はなかなか出てこないだろうから。
でも、若手の生徒さんたちが「色気のある男役」を目指してもらえるのは嬉しい。宝塚だもん、観客をうっとりさせてナンボ。頑張ってください。
ま、私たちはあまりに仲間内でネタにして盛り上がってしまったせいもあるかも?なので、生徒さんのファンの方々、私たちのたわ言なぞあまり気にされないでくださいね。軍服の美しさで目の保養になることは確かです。
さて、朝日新聞の夕刊に「たから図鑑」という小さなコラムが毎週掲載されている。関西の人しか読めない記事と思っていたが、ちゃんとサイトに載っていた。
昨日は渦中の人(違うって)、壮くんだった。
http://www.asahi.com/kansai/takara/OSK200504130019.html
記事の中で壮くんは言う。
「このせりふを書いた時の気持ちは?」「言葉の最後にびっくりマークがあるのはなぜ?」。と。“けいこ場では作、演出担当の中村暁さんを質問攻め”なんだそうだ。
うーんうーん。きっと壮くんも私たち同様、いろいろ悩んだんだろうなぁ。あの脚本。それでもきっと、解決しなかったんだよね?でもどうしようもないよね。脚本にどっぷり身を沈め、作品を作り上げるのが主演男役候補の役割だ。
壮くんは今回、それはちゃんとしっかり、やっていると思う。
あの水くんだって、私がトンデモ認定している「フィガロ」を主演していた。青年館まで埋めていたよ。それでこそ、主演男役候補としての力が底上げされる。主演男役になったところで、まっとうな脚本が来るとは限らないのは、今の大劇場公演を観ていてもわかること。だからこそ、主演男役たちのファンは「任期中になんとか持ち味を生かした代表作に当たって欲しい」と切望するのだ。そうじゃない作品でもなんとかしなければならないのが、主演男役だ。
もし私が「さすらいの果てに」の脚本で主演しろといわれたら、怒って投げ出してたかもしれない。私、根性なしだから。でも壮くんはなんとか作品に仕上げていた。シメさんが演技指導に入られていることも関係しているかもしれないが、男役(特に真ん中)としての見せ方も自分の中の課題にしていたのではないかな?キザっつーか、クサいっつーか、いかにも宝塚な雰囲気を漂わせることに成功していた。
主演男役は「真ん中にいること」が一番の役割なのだ。周辺に置いといたら邪魔にしかならないから、真ん中に置くしかないんだ。それもまた才能だ。わたるくんしかり(kineさんごめんなさい)、タカちゃんしかり、さえちゃんしかり。タニちゃんもそうだよなぁ。
また壮くんは言う。
「今は自分の考えにこだわらずに先生が思い描く理想像に身をゆだねて、男役の引き出しを増やしたい」。
健気だなぁ。ほろほろ。あのジェフリーが先生の理想像なのか。そうなのか。きっと電波系とわかっていてやってるんだね。
新聞記事では、見出しは「理想像に身をゆだね」だけが大きな文字で書かれている。確か新聞記事って、見出しは記者が書かないよね?記事を読んだ校閲(だっけ?)が書くんだよね。あの舞台観てたらここを見出しにするのはあまりに気の毒、と思ったはずだ。
ちなみに、ネットには載っていないが、これは署名記事。記者は男性だった。あの舞台を観て(観たよね?観たよね?)、中村A先生の理想像をどう思ったのか、聞いてみたいものだ。
ただ、記事の中で私が「ん?」となったのは、写真のキャプション。
「色気のある男役になりたい」と言う壮一帆さん、とあった。
え?そうだったの?壮くん、色気派を目指してたの!?全然気がつかなかったよ。どっちかっていうと爽やかな正統派を目指していたと思っていた。研10で研7のかなめちゃんの色気に負けていたような気がしたが?
緑野師匠の分類に従うと、壮くんは「月-健康」のはずだ。師匠に確認するとOKとのこと。さらに温度は「ふつー」だそうだ。これって、かしげちゃん路線一直線。色気とは対極にある持ち味だ。よいお友達だねっ、で終わるタイプ。ああ、宙組と並ぶ、宝塚漂白剤組=雪組。まだ花の頃の方が壮くんは色気があったと思う。
こ、こういう人が色気を出そうとすると、どうすればいいんでしょ?もう研10だし、そっち方向じゃなくて太陽に転換してぱあっと明るいスターを目指した方がいいんじゃないかと思うが。
温度を上げまくって、イッちゃった主人公を魅力的に見せたのが「愛燃える」の新公なんだろうか?私は観てないけど。そっち方向への舵取りもあり、か。
☆
2002年10月19日、千里で小山乃里子さんと汐美さんのトークショーが開かれた。もちろん、友人たちと誘い合わせいそいそと行く私。この頃、もう実はそろそろお腹が大きくなりかけてたんだっけ。
師匠もいらしていていたそうだが、もちろんまだ知り合いでも何でもなく。でもとてもインパクトの強い質問をされた方がいらして、後日「ああ、あの質問された方ですか!」と(笑)。
そのトークショーの中で、小山さんが「ケロに色気なんかあるかぁ?」と私たち観客に問いかける形で暴言(失礼)をおっしゃった。
沈黙する私たち。そこに来ていたのは筋金入りのケロファンがほとんどのはず。その100%に近い数字の人間は「色気ある」と思っていたはずだ。でも舞台上の小山さんにそこで反論する勇気のある人はおらず。
トークショー後、会場を近くのホテルに変え、会のバースディパーティが開かれた。お茶会よりもう少し人数が絞られた内々の集まり、みたいな感じ。時間もゆっくりとられていて、テーブルごとに一人ずつ質問が受け付けられた。
そこで、「小山さんはああおっしゃっていたけど、色気がないとは私たちは思っていない。どう思われるか?」というようなことを質問された方がいた。
はっきり覚えているわけではないが、ケロちゃんは確かこんなことを答えていた。
「色気があると思っていただけるのは嬉しい。もしそう思っていただけるなら、それは、私が入団した頃、なつめさんなど色気のある男役の方がたくさんいらして、“ああなりたいなぁ”と思ってよく見ていた。だからではないか」と。
思っただけで、見ていただけで、色気は出るものではないだろうな。また形を真似するだけでも、出ないだろうな。もちろん、真似することから入るんだろうけど。
ケロちゃんの色気の秘訣?秘密?はなんだったんだろう。オフの汐美さんはとーっても薄くて色気に満ち満ちているタイプではなかったし。舞台に出ると色気スイッチオン、フェロモン垂れ流し状態だった。
そのフェロモンにやられちゃった私は、ちょっとやそっとじゃ満足できないカラダに(笑)なってしまった。えらいこった。あれ以上の色気のある人はなかなか出てこないだろうから。
でも、若手の生徒さんたちが「色気のある男役」を目指してもらえるのは嬉しい。宝塚だもん、観客をうっとりさせてナンボ。頑張ってください。
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