大劇場の星楽、観劇してきました。

はぁ、もう。なんていうか。これで当分、「息子が発熱して観られないと絶対困る!」なプレッシャーのかかる観劇はない予定。去年の11月8日、汐美さんの大劇楽の終演後、無事に見終えて腰が砕けそうになったのに、少し近いような達成感がありました。

だからってー、自分が達成感でほっとしたからといって、すみません。kineさんが無口になってらっしゃるのに気軽に声かけしてしまった。そこで改めて気がつきました。遅いっつーねん。kineさんは今日、退団するひとりひとりを、そして星組を愛して、送り出そうとしておられたのに。ごめんなさい。

達成感のもうひとつの理由はやっぱり檀ちゃん。私が観たかった檀ちゃん。オトコマエの檀ちゃん、真琴つばささんとの月組時代、汐美さん(正確にはわたるくん)との星組時代。私の宝塚ファンの歴史を総括するようなサヨナラショー。これが観たかった。そういうものを見せてもらえました。

私の宝塚ファン時代がひとつ、完結した気分です。

           ☆

前の花楽でのんきにしていて樹里ちゃんの入りを見逃したこともあって、今回は気合を入れて9時半には花の道にスタンバイ。緑野こあら師匠、kineさんと合流、少しずつ星組の生徒さんたちが入るのを見る。
退団者は白い服。見送るファンも白い服。私たちもああだったんだな。あの時は目の前の、これから最後の舞台に臨むひとしか見えてなかったけど、私たちもギャラリーの人たちからはこんな風に見えていたんだな、などと思う。あんなに私には大切なジェンヌさんでも、宝塚ではよくある風景のひとつでしかないんだろう。

檀ちゃんが入ったのは10時ジャストだった。わたるくんはその5分位前だったかな?わたるくんは居並ぶ大勢のファンの人たち全員からお手紙を受け取っていた。格好いい!

そして檀ちゃんは白いいでたち。ひるがえる白いスカート、そこからのぞく細い脚ばかり見ていた。檀ちゃんはファンの方たちにガッツポーズでこたえて、楽屋口に消えていった。

ぼちぼちと移動し、喫茶店でおしゃべり&お茶。いろんな知り合いと声を交わしたり。チケットレスで劇場に来ている人も多かった。檀ちゃんをお見送りしたかったのだろう。でもなぜか不思議にも思えた。だって檀ちゃんは大きな声で「好き」と言いにくい娘役さんだったから。それはまみさんの奥さんだった時からそう。私がまだ宝塚ファン初心者でぴよぴよしていた時、ぴあで並んでいるとまみファンの方からいかに檀ちゃんがひどい相手役かをこんこんと聞かされた。初心者の私はそれだけでビビってしまっていた。今なら、相手役に不満のないトップファンなんていないわよ、と笑えるけど。

でもサヨナラ写真集はキャトルで一番の売れ行きらしい。私の周囲の人たちも買っている人が多かった。私も1冊、買った。ここまで自分を持ってきたのは、檀ちゃんの努力、心意気のなせる技だろう。一度退いたトップ娘役から再度登板するだけの何かを檀ちゃんは自分で身につけたのだと思う。あなたがいたから、私はアムネリス様にも揚貴妃様にも会えた。

そろそろ劇場に行かねば、と移動し始めた時、目の前を藤井大介先生が歩いていた。皆でこっそり「今頃こんな所にいて、サヨナラショーの演出は大丈夫か?」と突っ込む。でも心配はしていなかった。藤井先生なら愛ある演出をしてくれるはず、と思っていたから。

湿度が高く、気温も高い日。どうも体調がすぐれず、食欲が全く湧かなかった。私にしては珍しいことだった。

芝居。

うーうーうー。キツカッタわ。1回目観た時は、さんざん「駄作」という情報を仕入れてから行ったから「あら、マシじゃない、この舞踊会」なんて思っていたのだが、2回目であまりの退屈さに疲れてしまった。「長安」で培った“肝心なところ以外は睡眠に当てる”技を使おうとしたが、そうするとアドリブが飛び出す。
体調がイマイチなこともあって、作品への怒りすら湧かない。どんな“卑怯な”“不粋な”“不快感のある”セリフや行動が飛び出しても「あーそーですかー」と流してしまった。そうすることで感覚を麻痺させていたのかもしれない。

お隣の席だった師匠はそれでも幕間に「乗り越えたわ!」と力強く宣言しておられた。5回観たら乗り越えられるんでしょうか?

ここでも感服したのはひたすらわたるくんの力技。どうしようもないのに!なんで男同士、宝塚の舞台で船の上で死ななきゃならないのかわからないのに!わたるくんは渾身の演技でイシちゃんを看取っていた。これがトップスターなんだろうなぁ。

イシちゃんもさらにきめ細かくセリフの強弱をつけて、伊佐次が破綻しないように、それがマシなら少しでも一貫性のある人間に見せようと頑張っていたように思う。

退団するまいまいの歌声に聞き惚れ、おかっちの立ち姿に見入る。檀ちゃんはもちろん、「お別れです」のセリフに全てを込めていたように思う。そういうところに私はオペラを合わせていた。

長い長いお芝居が終わった。

(以下、続く・・・すみません、書けた分だけ少しずつアップしていきます)

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