これが「ベルばら」!?
2005年9月29日 宝塚星組全国ツアー公演「ベルばら/シバ」を観た。
感想。
私は来年の「ベルばら」大劇場公演を観る自信がなくなりました。
「ベルばら」ってこんなにひどい作品だったっけ!?歌劇団の戦術にまんまと乗せられ、「役代わりかぁ。一番観たいのはゆうひくんバージョンだなぁ。でもそれなら他のバージョンも観て比較しようかしら。お正月にコムちゃん持ってくるなんて、ほとんどイベントよね。イベントは参加が基本かも。なに、A席B席1席ならいくらでも取れるもーん」などと思っておりました。
自重しよう。「ベルばら」見続けるとなんだか、タカラヅカそのものが嫌になりそうだ。
私の「ベルばら」ファーストコンタクトは、マンガでした(外伝もしっかり読んだ!)。だからそのイメージが一番強い。オスカルは女だけど愛国心と生きる信念持った軍人で、アンドレはコドモにはちとわからん大人の魅力の持ち主で、フェルゼンは線の細い軟弱な優等生王子さまで、そしてあの話全体が、アントワネットの人間としての成長物語、ってな印象だった。だってアントワネットの最期はそれは素晴らしいんだよ。髪を切られ、断頭台に顔を伏せるその時の瞳の描かれ方が。
だからタカラヅカの「ベルばら」は、なんつーか歌舞伎っつーか、型っつーか、TCAっつーか、ドラマじゃないよなー、と思って前のときは眺めていた。
それでもまぁ、盛り上がるシーン(今宵一夜とかバスティーユとか)で盛り上がる理由もわかるし、一応、ストーリーらしきものもあるし。まぁ、ご贔屓が仮装して出てりゃそれもプラスして楽しんで観られないこともない、なぁ、って思っていたが。しかし。
星組の見慣れたメンバーで、思い入れもあるはずなのに、今回の「ベルばら」はどーにもこーにも。なんだか、わたるくんとしぃちゃんとすずみんととなみちゃんとその他星組メンバーが扮装してるのを観ているような感覚が最後まで抜けなかったよ。一応、キャストとは切り離して話に入り込めると思っていたのに、違ったのだろうか。自信がなくなってきた。
わたるくんは衣装とっかえひっかえ。背が高く円熟期に入ったと思われる堂々としたトップぶりで、衣装も着こなし、格好よかった。剣よりも学問が得意そうな線の細いスウェーデン貴族フェルゼン、というより剣が一番得意な騎馬連隊長(だっけ?)だろう?と思うほどのたくましさがあったかが(笑)。ラストの牢獄シーン、四の五の言わず、アントワネットを肩にかついで逃げれそう。存在感に並々ならぬパワーがあるから、メルシー伯への逆切れシーンも「いやあのその、私が悪うござんした」と思ってしまった(笑)。
となみちゃんはセリフ回しが???で。フェルゼンとの逢引シーン、手前勝手なことを並べていても、前の宙組のとき、私はここでなんだか説得されてしまったのだ。あれは私が花ちゃんマジックにかかってしまっていただけなのかな?となみちゃんのはなんだか大芝居で声が高く浮ついているような印象が残ってしまった。となみちゃんて芝居ヘタだったっけ?いやいや、長崎でちゃんとやってたよ。終演後、kineさんに「あれは花供養とセリフ回しが同じ。植田演出じゃないかと緑野さんと言ってます」といわれてなるほど。衣装に負けない華やかさはさすが。でもとなみちゃん、脚もとってもきれいなんだよねー。今回ドレスばっかりで見られなくて残念。次に期待します。
しぃちゃんは、とっても明るいアンドレ。アンドレといえば陰のある(特に失明というか大人になってからは)大人の男、という先入観を覆す明るさ。しぃちゃんの笑顔も天然だなぁ。なんて観ていたら、やっぱりしぃちゃんにしか見えなくなってしまって困った。
さらに困ったのがすずみん。すずみんは期待通り(すみません)登場シーンからマントをひるがえしてくれた(笑)。念を入れて作ったんだろうなぁという金髪のカツラもよく似合っていた。が!やっぱりオスカルの扮装をしているすずみんにしか見えなくなってしまって(泣)。
でもって、この2人が出てきてからむと完全にバカップルだし。いえ、脚本のせいですよ。
ストーリーやセリフに疑問は山ほどあるので覚えきれないが、一番私がびっくりしたのは、ジェローデルがスウェーデンのフェルゼンのところにきて「オスカルは死にました」と言ったときの(いや、死んだと告げられるのは、もうギャグにしか見えなくて)フェルゼンの反応。友人であり自分を恋い慕っていたはずの女が、いきなり反乱軍に入って死んだことにびっくりしないのか!?敵側に寝返ってたんだぞ!?自分や恋人のアントワネットに反旗を翻したんだぞ?さらにアントワネットを助けて欲しいってのがオスカルの遺志?もう何がなんだかさっぱりわからない。それを「可哀想」で片付けて終わりかい?とほほのほ。
とほほ気分にどっぷりつかったまま、幕間になってkineさんと合流。
「なんだかもうTCA観てるような気分になって(み)」
「TCAならもっと面白いシーンばかりをやるはずです(kine)」
「そ、そうですね(み)」
「華やかなエンディングのないベルばらってのも物足りないんですよ(み)」
「エンディングのついたベルばら一本モノと、90分で納めた後にショーがついたのとどっちがいいですか?(kine)」
「・・・こっちのほうがいいです(み)」
原作読んでない人には全然ストーリーわかんなかったでしょうね、などと話をしながら幕間を過ごす。ショーは面白いらしいことにとりあえずほっとする。シヴァパートはみんなで分担しているらしい。
ショーは大劇場で見たのとほぼ同じ。なるほど、イシちゃんの登場場面もとなみちゃんに振ったりうまくやっている。となみちゃんはこれがお披露目なのに、トップ娘役として全く遜色ない。
そしてしぃちゃん!とうこちゃんのパートに入って大活躍。タキシード、格好いいじゃないですか!
プロデューサーもちゃんとプロデューサー。とうこちゃんはとってもうさんくさい業界人っぽいニオイをぷんぷんさせていたのに、しぃちゃんは全然うさんくさくない。すごくまっとうな人に見える。
当然、レークへの仕打ちも、ストレートに女を取られたことへの怒り。オーキッドが屈折した複雑な思いを抱えていたのとは異なる。特に演出が変わったわけではないので、ひたすら本人の個性の発露なんだなぁ。すごいなぁ。
場面場面もそれぞれ楽しく切なく、歌も耳なじみがよく、目にも楽しい。檀ちゃんとの別れの場面は、ハンカチを小道具に使ったこれからよろしく、の場面に作り変えてあった。大介先生いい仕事してます。
階段が小さく、出てくる人数も少ない。これは全国ツアーなんだなぁ、梅田で全ツを見るというのは不思議な気分だ。しかし、お芝居では全ツ感はなかったが?と終演後、kineさんに言うと「お芝居は2人か3人しか舞台に出てないから当然ですよ」とのこと。そうかぁ。大人数が繰り出すバスティーユとかないもんね。
とまぁ、こんな感じ。息子を預けてまで観にいく価値があったかといわれると疑問だが、まぁショーは楽しかったのでよしとしよう。
しかし、来年の「ベルばら」どうしよう、もうホントに。
ところでこの「ベルばら」って「フェルゼンとアントワネット編」ですよね?プログラム買ってないからわからないんだけど、公式とかには「ベルサイユのばら」としか書いてなくて。まさかこれが○○編とかじゃない、宝塚の「ベルばら」のデフォルトとして世の中に出すものじゃないよね?
感想。
私は来年の「ベルばら」大劇場公演を観る自信がなくなりました。
「ベルばら」ってこんなにひどい作品だったっけ!?歌劇団の戦術にまんまと乗せられ、「役代わりかぁ。一番観たいのはゆうひくんバージョンだなぁ。でもそれなら他のバージョンも観て比較しようかしら。お正月にコムちゃん持ってくるなんて、ほとんどイベントよね。イベントは参加が基本かも。なに、A席B席1席ならいくらでも取れるもーん」などと思っておりました。
自重しよう。「ベルばら」見続けるとなんだか、タカラヅカそのものが嫌になりそうだ。
私の「ベルばら」ファーストコンタクトは、マンガでした(外伝もしっかり読んだ!)。だからそのイメージが一番強い。オスカルは女だけど愛国心と生きる信念持った軍人で、アンドレはコドモにはちとわからん大人の魅力の持ち主で、フェルゼンは線の細い軟弱な優等生王子さまで、そしてあの話全体が、アントワネットの人間としての成長物語、ってな印象だった。だってアントワネットの最期はそれは素晴らしいんだよ。髪を切られ、断頭台に顔を伏せるその時の瞳の描かれ方が。
だからタカラヅカの「ベルばら」は、なんつーか歌舞伎っつーか、型っつーか、TCAっつーか、ドラマじゃないよなー、と思って前のときは眺めていた。
それでもまぁ、盛り上がるシーン(今宵一夜とかバスティーユとか)で盛り上がる理由もわかるし、一応、ストーリーらしきものもあるし。まぁ、ご贔屓が仮装して出てりゃそれもプラスして楽しんで観られないこともない、なぁ、って思っていたが。しかし。
星組の見慣れたメンバーで、思い入れもあるはずなのに、今回の「ベルばら」はどーにもこーにも。なんだか、わたるくんとしぃちゃんとすずみんととなみちゃんとその他星組メンバーが扮装してるのを観ているような感覚が最後まで抜けなかったよ。一応、キャストとは切り離して話に入り込めると思っていたのに、違ったのだろうか。自信がなくなってきた。
わたるくんは衣装とっかえひっかえ。背が高く円熟期に入ったと思われる堂々としたトップぶりで、衣装も着こなし、格好よかった。剣よりも学問が得意そうな線の細いスウェーデン貴族フェルゼン、というより剣が一番得意な騎馬連隊長(だっけ?)だろう?と思うほどのたくましさがあったかが(笑)。ラストの牢獄シーン、四の五の言わず、アントワネットを肩にかついで逃げれそう。存在感に並々ならぬパワーがあるから、メルシー伯への逆切れシーンも「いやあのその、私が悪うござんした」と思ってしまった(笑)。
となみちゃんはセリフ回しが???で。フェルゼンとの逢引シーン、手前勝手なことを並べていても、前の宙組のとき、私はここでなんだか説得されてしまったのだ。あれは私が花ちゃんマジックにかかってしまっていただけなのかな?となみちゃんのはなんだか大芝居で声が高く浮ついているような印象が残ってしまった。となみちゃんて芝居ヘタだったっけ?いやいや、長崎でちゃんとやってたよ。終演後、kineさんに「あれは花供養とセリフ回しが同じ。植田演出じゃないかと緑野さんと言ってます」といわれてなるほど。衣装に負けない華やかさはさすが。でもとなみちゃん、脚もとってもきれいなんだよねー。今回ドレスばっかりで見られなくて残念。次に期待します。
しぃちゃんは、とっても明るいアンドレ。アンドレといえば陰のある(特に失明というか大人になってからは)大人の男、という先入観を覆す明るさ。しぃちゃんの笑顔も天然だなぁ。なんて観ていたら、やっぱりしぃちゃんにしか見えなくなってしまって困った。
さらに困ったのがすずみん。すずみんは期待通り(すみません)登場シーンからマントをひるがえしてくれた(笑)。念を入れて作ったんだろうなぁという金髪のカツラもよく似合っていた。が!やっぱりオスカルの扮装をしているすずみんにしか見えなくなってしまって(泣)。
でもって、この2人が出てきてからむと完全にバカップルだし。いえ、脚本のせいですよ。
ストーリーやセリフに疑問は山ほどあるので覚えきれないが、一番私がびっくりしたのは、ジェローデルがスウェーデンのフェルゼンのところにきて「オスカルは死にました」と言ったときの(いや、死んだと告げられるのは、もうギャグにしか見えなくて)フェルゼンの反応。友人であり自分を恋い慕っていたはずの女が、いきなり反乱軍に入って死んだことにびっくりしないのか!?敵側に寝返ってたんだぞ!?自分や恋人のアントワネットに反旗を翻したんだぞ?さらにアントワネットを助けて欲しいってのがオスカルの遺志?もう何がなんだかさっぱりわからない。それを「可哀想」で片付けて終わりかい?とほほのほ。
とほほ気分にどっぷりつかったまま、幕間になってkineさんと合流。
「なんだかもうTCA観てるような気分になって(み)」
「TCAならもっと面白いシーンばかりをやるはずです(kine)」
「そ、そうですね(み)」
「華やかなエンディングのないベルばらってのも物足りないんですよ(み)」
「エンディングのついたベルばら一本モノと、90分で納めた後にショーがついたのとどっちがいいですか?(kine)」
「・・・こっちのほうがいいです(み)」
原作読んでない人には全然ストーリーわかんなかったでしょうね、などと話をしながら幕間を過ごす。ショーは面白いらしいことにとりあえずほっとする。シヴァパートはみんなで分担しているらしい。
ショーは大劇場で見たのとほぼ同じ。なるほど、イシちゃんの登場場面もとなみちゃんに振ったりうまくやっている。となみちゃんはこれがお披露目なのに、トップ娘役として全く遜色ない。
そしてしぃちゃん!とうこちゃんのパートに入って大活躍。タキシード、格好いいじゃないですか!
プロデューサーもちゃんとプロデューサー。とうこちゃんはとってもうさんくさい業界人っぽいニオイをぷんぷんさせていたのに、しぃちゃんは全然うさんくさくない。すごくまっとうな人に見える。
当然、レークへの仕打ちも、ストレートに女を取られたことへの怒り。オーキッドが屈折した複雑な思いを抱えていたのとは異なる。特に演出が変わったわけではないので、ひたすら本人の個性の発露なんだなぁ。すごいなぁ。
場面場面もそれぞれ楽しく切なく、歌も耳なじみがよく、目にも楽しい。檀ちゃんとの別れの場面は、ハンカチを小道具に使ったこれからよろしく、の場面に作り変えてあった。大介先生いい仕事してます。
階段が小さく、出てくる人数も少ない。これは全国ツアーなんだなぁ、梅田で全ツを見るというのは不思議な気分だ。しかし、お芝居では全ツ感はなかったが?と終演後、kineさんに言うと「お芝居は2人か3人しか舞台に出てないから当然ですよ」とのこと。そうかぁ。大人数が繰り出すバスティーユとかないもんね。
とまぁ、こんな感じ。息子を預けてまで観にいく価値があったかといわれると疑問だが、まぁショーは楽しかったのでよしとしよう。
しかし、来年の「ベルばら」どうしよう、もうホントに。
ところでこの「ベルばら」って「フェルゼンとアントワネット編」ですよね?プログラム買ってないからわからないんだけど、公式とかには「ベルサイユのばら」としか書いてなくて。まさかこれが○○編とかじゃない、宝塚の「ベルばら」のデフォルトとして世の中に出すものじゃないよね?
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