いい人と悪役が印象に残った雪バウ
2005年11月21日 宝塚雪バウ「DAYTIME HUSTLER」を観た。私も「神(=友人Kさん、ありがとー!)」からの恩恵に預かり、緑野こあら師匠のお隣、最前列センターに座らせていただいた。
前知識は、「DAYTIME HUSTLER」という意味深なタイトル、駅で見掛けた耽美色たっぷりのポスター、そして開演1分前に師匠がおっしゃってた「観た人たちはオヅキが印象に残ったと言ってますよ」とのひとこと。これだけだ。
きっとかしげちゃんが満を持して、ファンを倍増させるような作品に登板するんだわ。暗くて、耽美で、陶酔感があって、かしげちゃんの美貌が映えるそんな作品。そしてオヅキがインパクトを与えるの。
しかし。
そんな私の目の前(文字どおり)で展開されたお話は、学園青春真っ盛りドラマでした。
びっくりしたよー。あのポスターは詐欺だ。いや、いいんだけどさー。演出家先生、あれでよかったの?ポスターのイメージ。作品と合ってますか?
お話自体はとても面白く、飽きずに2時間、楽しませてもらった。小池先生、書けるじゃないの。「LUNA」とか「カステルミラージュ」とか「薔薇の封印」とか、そろそろアカンのとちゃう?と思わせられていたけど、これならイケる。面白い。
かしげちゃん、ジーンズ似合うなぁ。細っそい腰!ローライズのかすれたジーンズ生地に白いシャツ。肩周りの補正も完璧で、ちゃんと逆三角形(ただしほとんど二等辺三角形)になってる。いつもよりおでこも目立たないし。溜め息つきながら下から見上げておりました。
ええ、だから気が付かなかった、見えなかったんですよ、ジーンズの足元がハイヒールだなんて。幕間に師匠にうかがって、2幕目、思わず中腰になって確めてしまいましたよ。
ホスト(ハスラーってんですか?)になってから、いつ、もっとこう、裏のイメージが出て来るんだろう?とか思って観ていたが、結局、ローリーはいい先生だった。ずっとずっと。昔、不良だったとか、彼女にひどい言葉を投げ付けて死に至らしめたこととか、普通の人間にあってもおかしくない影の部分は全然出て来ず、ローリーは結局、いい人、だった。
かしげちゃん、いい人なんだね。つくづくそう思った。もうしょうがないな、そう思った。いい人なんだもん。悪い人の役、できないんだよね。無理しなくていいよ。
そしてその悪い人の役は壮くん。アンソニー。いいじゃないか、この役!すごく!高校時代にカップルでいたのに男の友人に情けをかけたばかりに彼女を取られる。「先に帰って」なんて言われたら辛いったらないじゃないか。長じて政治家になり、野心を追い求める。彼女を奪い死に追いやったはずの昔の友人とも握手ができる人。なのにドラッグに手を染め、女に二股をかけ、追いつめられ、とうとう殺人にまで及んでしまう。絶望の中の逃避行、最期の時。人間の弱さ強さがたっぷり盛り込まれた魅力的な人間だ。演じがいのある役だと思う。
私は断然、アンソニーという役の方に惹かれてしまった。
ちょい待ってよ。私はちゃんとごくごく真っ当に、主人公スキーだったはずだ。「ガッチャマン」でもジョーより健の方が好きだった(例えが古過ぎます)。なのになぜローリーがシルヴィアと消えて翌朝のベッドに枕が2つあってもときめかないで、トニーが気になってしまうんだ!?大人になったのか!?私!?
いやいや、宝塚において、2番手格の悪役というのは美味しい、女心をそそる役のはずだ。2番手の時にこういう役でぐっとファンを増やすのは定石だ。
物語は主人公に正しく正しく正しい方向へ進んでいるのに、どうしてワタシはあの黒い役に惹かれるの?2番手格のあのスターさんは誰?勝手に目があっちへ行ってしまう、心が持って行かれる!というものだと思う、宝塚の正しい悪役は。
残念ながら、私は壮くんに持って行かれなかった。壮くんだー、頑張ってるなーと思いながら観ていた。かしげちゃん、ファンを増やしたいならトニーみたいな悪役やった方がてっとり早いんじゃないかなー?なんて思いながら観ていた。
壮くんは熱演していた。でもなんだかこう、こころをえぐられなかった。なんでなんだろうなぁ。
で、私を、というか出て来る度に場をさらっていったのはオヅキだった!!いやあ、すごいインパクト!雪組らしい、わりとまったりとした舞台(全員がそれなりに上手いからね、見どころ一杯なので意識が舞台全体に分散しがち)だったのだが、オヅキが出て来るとぎゅっと彼に向かって意識が集中するのがわかった。私も「次いつ出て来るかしら」とわくわく状態。楽しませてもらいました。次の雪の新公、きっとアンドレやるよね!?すっごく観たい!!
・・・でも胸はもうちょっと押さえた方がいいと思います。あの顔なのに!あの芸風なのに!下から見たら胸がぽんぽん揺れてました・・・。
その他気になったのは、生徒たちのリーダー格の月組のエリちゃんに似たコ。師匠にうかがったら「ラギくんね。前の新公で水くんの役やったコですよ」と教えていただいた。かしげちゃん以上に濃く、オヅキに負けず濃く歌って踊ってました。
紫友みれいちゃんは、ゆうひくん似としぃちゃん似の2説ありましたが、今回しっかり見たら、しぃちゃん似だと私は思いました。けっこう大きな子ですね。
かしげちゃんを見る度に、「どーしてこう、悪役ができないんだ!!」と歯噛みしていたのだが、この作品をみて「いい人なんだね、悪い役できないんだね」と心から納得してしまった舞台だった。
前知識は、「DAYTIME HUSTLER」という意味深なタイトル、駅で見掛けた耽美色たっぷりのポスター、そして開演1分前に師匠がおっしゃってた「観た人たちはオヅキが印象に残ったと言ってますよ」とのひとこと。これだけだ。
きっとかしげちゃんが満を持して、ファンを倍増させるような作品に登板するんだわ。暗くて、耽美で、陶酔感があって、かしげちゃんの美貌が映えるそんな作品。そしてオヅキがインパクトを与えるの。
しかし。
そんな私の目の前(文字どおり)で展開されたお話は、学園青春真っ盛りドラマでした。
びっくりしたよー。あのポスターは詐欺だ。いや、いいんだけどさー。演出家先生、あれでよかったの?ポスターのイメージ。作品と合ってますか?
お話自体はとても面白く、飽きずに2時間、楽しませてもらった。小池先生、書けるじゃないの。「LUNA」とか「カステルミラージュ」とか「薔薇の封印」とか、そろそろアカンのとちゃう?と思わせられていたけど、これならイケる。面白い。
かしげちゃん、ジーンズ似合うなぁ。細っそい腰!ローライズのかすれたジーンズ生地に白いシャツ。肩周りの補正も完璧で、ちゃんと逆三角形(ただしほとんど二等辺三角形)になってる。いつもよりおでこも目立たないし。溜め息つきながら下から見上げておりました。
ええ、だから気が付かなかった、見えなかったんですよ、ジーンズの足元がハイヒールだなんて。幕間に師匠にうかがって、2幕目、思わず中腰になって確めてしまいましたよ。
ホスト(ハスラーってんですか?)になってから、いつ、もっとこう、裏のイメージが出て来るんだろう?とか思って観ていたが、結局、ローリーはいい先生だった。ずっとずっと。昔、不良だったとか、彼女にひどい言葉を投げ付けて死に至らしめたこととか、普通の人間にあってもおかしくない影の部分は全然出て来ず、ローリーは結局、いい人、だった。
かしげちゃん、いい人なんだね。つくづくそう思った。もうしょうがないな、そう思った。いい人なんだもん。悪い人の役、できないんだよね。無理しなくていいよ。
そしてその悪い人の役は壮くん。アンソニー。いいじゃないか、この役!すごく!高校時代にカップルでいたのに男の友人に情けをかけたばかりに彼女を取られる。「先に帰って」なんて言われたら辛いったらないじゃないか。長じて政治家になり、野心を追い求める。彼女を奪い死に追いやったはずの昔の友人とも握手ができる人。なのにドラッグに手を染め、女に二股をかけ、追いつめられ、とうとう殺人にまで及んでしまう。絶望の中の逃避行、最期の時。人間の弱さ強さがたっぷり盛り込まれた魅力的な人間だ。演じがいのある役だと思う。
私は断然、アンソニーという役の方に惹かれてしまった。
ちょい待ってよ。私はちゃんとごくごく真っ当に、主人公スキーだったはずだ。「ガッチャマン」でもジョーより健の方が好きだった(例えが古過ぎます)。なのになぜローリーがシルヴィアと消えて翌朝のベッドに枕が2つあってもときめかないで、トニーが気になってしまうんだ!?大人になったのか!?私!?
いやいや、宝塚において、2番手格の悪役というのは美味しい、女心をそそる役のはずだ。2番手の時にこういう役でぐっとファンを増やすのは定石だ。
物語は主人公に正しく正しく正しい方向へ進んでいるのに、どうしてワタシはあの黒い役に惹かれるの?2番手格のあのスターさんは誰?勝手に目があっちへ行ってしまう、心が持って行かれる!というものだと思う、宝塚の正しい悪役は。
残念ながら、私は壮くんに持って行かれなかった。壮くんだー、頑張ってるなーと思いながら観ていた。かしげちゃん、ファンを増やしたいならトニーみたいな悪役やった方がてっとり早いんじゃないかなー?なんて思いながら観ていた。
壮くんは熱演していた。でもなんだかこう、こころをえぐられなかった。なんでなんだろうなぁ。
で、私を、というか出て来る度に場をさらっていったのはオヅキだった!!いやあ、すごいインパクト!雪組らしい、わりとまったりとした舞台(全員がそれなりに上手いからね、見どころ一杯なので意識が舞台全体に分散しがち)だったのだが、オヅキが出て来るとぎゅっと彼に向かって意識が集中するのがわかった。私も「次いつ出て来るかしら」とわくわく状態。楽しませてもらいました。次の雪の新公、きっとアンドレやるよね!?すっごく観たい!!
・・・でも胸はもうちょっと押さえた方がいいと思います。あの顔なのに!あの芸風なのに!下から見たら胸がぽんぽん揺れてました・・・。
その他気になったのは、生徒たちのリーダー格の月組のエリちゃんに似たコ。師匠にうかがったら「ラギくんね。前の新公で水くんの役やったコですよ」と教えていただいた。かしげちゃん以上に濃く、オヅキに負けず濃く歌って踊ってました。
紫友みれいちゃんは、ゆうひくん似としぃちゃん似の2説ありましたが、今回しっかり見たら、しぃちゃん似だと私は思いました。けっこう大きな子ですね。
かしげちゃんを見る度に、「どーしてこう、悪役ができないんだ!!」と歯噛みしていたのだが、この作品をみて「いい人なんだね、悪い役できないんだね」と心から納得してしまった舞台だった。
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