「かもめ」面白かったです!

ええ、所詮ファンですから、結局は贔屓が舞台に立っていれば、それで充分満足!ということになりますか。

でも、やっぱり思い返してみても、面白かった。「今日は楽しかった!」とじわじわ余韻を楽しんでました。

「かもめ」の原作は早々に図書館で借りて読んでみたのだけど、つまんなかった。というか全編読み通せなかった。拾い読みして終わってしまった。戯曲を読み慣れていないせいもあるのでしょう、頭の中にイメージできなかったんです。山場もあるんだかないんだか。

新聞や雑誌のインタビュー記事が出始めると、どうも原作そのまんまらしい。うーむと思いつつ、my初日を迎えました。

1幕目、眠たかったです。でも原作よりは面白いな、なるほど、戯曲が舞台に乗り、生の人間がしゃべるとこうなるんだ、と思ったよりは楽しめました。コロちゃんが身につまされまして。私、息子にああいうことやってそうだなぁ、自尊心、ちゃんと尊重しなきゃなと肩身が狭く感じたり、10代の女の子の有名人への憧れとかを懐かしく思ったり。でもって、みっきぃが悪い男だな~(褒めてます)と見入ってしまったり。

2幕目、だんだん話が動き出して、人の心も絡み合い出して。客席も、ここは笑っていいんだ、ということがわかり始めて反応が出るようになって。割と前の方の席だったので、オペラはあまり使っていなかったのですが、つい、琴ちゃんの顔をアップで見てしまっていたんですね(なんだか4場になってから琴ちゃんの顔が急に大人びたんですよ)。かっこいい〜、とうっとり見ていたらその瞳が大きく大きくなって、でも何も映さない、うつろな目になって。

いや、もうそれだけど満足してしまいました。

もちろんその前の表情の移り変わりや、その後のダンスもすごかったのだけど。

琴ちゃんの目に飲まれてしまいました。すごかった。


バウの舞台というものも面白かった。2回目観た時は1回目と違って客席の反応が薄かった。それが、コロちゃんが包帯を取り落とすというハプニングがあったのをきっかけにどっと客席がわいて、その後の親子喧嘩のシーンがより派手になっていたように思います。客席も舞台に反応するし、舞台も客席に反応するんだ…と、バウならではの狭さを楽しめました。
当時の戯曲ってこうやって客席と一緒になって作りながら楽しんでいたものではないのかな?

この作品の登場人物は、ロシアのKYな人々の集まりを、外側から観て楽しむものなんでしょうね。日本人なら読んでしまう空気をあえて読まないことで生み出される喜劇、いや、日本人でも実は心の中はこんなものなのでしょう。

今回のメンバーは、本当にみんな上手かった!歌も歌えてるし、あれだけ膨大なのに聞き取れないセリフはなかった。

みれいちゃんの劇中劇はちゃんと劇中になっていたし、歌声も本当に綺麗。存在感のある娘役さんだと思います。
なっちゃんも上手かったなぁ。昔は子役やってたのに、こんな役も似合うようになってきたのですね。
どいちゃんのお医者さんがよかった!どいちゃんのお芝居ってあまり記憶がなかったのですが、とてもよかったように思います。
みっきぃはねぇ、もうねぇ、悪い男で(褒めてます)どうしようもないですね。地団駄踏むほどです。印象に残り過ぎです。
みきちぐは頼りになる公演長さまです。ありがとうございます。

ことちゃんは、お芝居、頑張ってましたし充分できていたと思います。それなのに、歌い出すとがっとレベルが上がってしまう。伝わってくるものの量が増える感じ。芝居も絶対悪くないと思うのに、歌が遥かに高い表現力を持っているからそう見えてしまうんじゃないかと思います。

気になったのは、もうちょっと場ごとのつながりが見えてもいいのかな、ということ。出番がとびとびなので、出てくると前の場の感情とのつながりがうまくいってないようなに思えるところがありました。それが却って功を奏したのが3場から4場へかな。

もうひとつ、最後のご挨拶のところ、すたすたと出てきてしまうのがもったいないっ!と。せっかく主演なんだからちょっとタメを作って主演らしく出てきてよ〜と贅沢に思ってしまいました。まぁ、そんなところは初主演らしくて初々しいからいいのかもしれませんね。

あとまだ2回観るので、楽しみにしています!

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