申し訳ないですが

2004年11月28日 日常
当分、汐美ネタはないと思われます。

カウンターがえらいこと回るようになったのは、汐美ネタを連続して書き始めてからなので、きっと、それを求めて来ていただいていると思うのですが、私が住んでる所から、東宝まではかなり遠く・・・ちびすけ抱えてるので、おいそれと行ける距離であるはずもなく。

書けるモンなら私も書きたい!が、なーんも書くことがないのです。思い付けば書きますが。あと1ヶ月しかないんだし。今書かないでいつ書く!?と。

そういう方々に、もともとここで書きましょ、と思っていた猫のことだの仕事のことだの育児のことだの書いてる日記をお見せするのは申し訳ないんですが、許してやってください。

       ☆

あ、ひとつあった。

しばらく前からヤフオクの星東宝千秋楽をウオッチしてるんですが、なかなか値段が下がりませんね。逆に上がってきてるような気さえします。

なんとなく、ですが、傾向として、1階席でもB席でも値段に大きな開きが無いような気がします。また、同じ12月26日11時公演は良席でもそう値上がりしていないようです。

つまり、「楽のみ観たい」というか「どうしても楽だけは観たい」という人が多いのでしょうか。

退団者のファンばかりではないでしょう。全組観る人や楽が好きって人もおられるのかもしれません。

通常なら、公演日ギリギリが一番下がるはずですから、これから徐々に下がっていくのかな?もしお手元に星楽チケット余らせている方、いらっしゃいましたら、今が売り時ですよ〜と、叫んでみたりします。

交換用に持っている人もいらっしゃるかもしれませんね。チケット掲示板ながめていると、なかなか強気の交換条件も多いようです。とてもいいお席もあって、いいなぁ、と指をくわえているだけですが。

来週になると、月エリザが届き始めるので、それとの交換用に出て来るかも?と思ったり。でも月エリザ、実はあちこちで当たりまくったという話を聞くので、激戦かもしれません。

       ☆

で、本来の日記。

息子のインフルエンザの予防接種を済ませた。これで2回目。特に
副反応(副作用)も見られず、元気よく過ごしている。

インフルエンザの予防接種については、ネットで調べると、有効性や副反応についての意見がいろいろあるようだ。なんだったっけ、3歳以下では有効性40%とかいうのもあった。掲示板などでは、ややヒステリックなまでに「絶対受けない方がいい!」という人もいる。

まぁ、任意接種なんだから自己責任で考えればいいわけで。

目一杯頑張ったわけではないが、ざっくり調べてみて、私は私自身も息子も受けることにした。

理由はやはり保育園に行っているから。

先生方にも聞いてみたが、流行する年としない年があるという。しない年でもやはり何人かはかかるそうだ。

親の私も毎日通勤電車に乗り、会社ではいろいろな人と接する。妊娠中はお向かいの席の人がインフルエンザにかかっていた。

どこからウイルスがやってくるかわからない。

幼児に対する有効性が40%しかなくても、40%防げるなら、価値はある、と思った。また打っていれば、かかっても軽くて済むという。保育園の他のお母さんも、上のお子さんに打ったのにかかってしまったが軽く済んだ、1日で熱が引いた、とおっしゃっていた。

過去に私もインフルエンザにかかったことはあるが、普通の風邪とは全然違う。身体が痛いのだ。熱も高いしダルくて辛いし。子供抱えて寝込むことすらままならないのに、かからなくて済むならそうしたい。

何より一番怖いと思っているのは、インフルエンザ脳症だ。原因不明、なってしまったら対処なし。もちろん、治る場合も多いが、何人かの子供たちは命を落としたり後遺症が残ったりするという。

掲示板での意見に「ワクチンを打つより、発症したらすぐ病院に行ってタフミルで治療すればいい」というのもあった。

それができる人はそうすればいいと思う。

だが、働いている以上、それができないということが、私の場合想定されるのだ。発熱した、発病した、出来る限りすぐ駆け付けた、それでも間に合わない、なんてことが一番恐ろしい。

とりあえず、ワクチンを打った人で、脳症になった人は「今の所」ない、ということなのでそれも接種した理由のひとつだ。

私が小学生の頃は毎年、学校で打っていた。それで副作用でどーにかなったという記憶はない。恐ろしいことに、その頃は注射1本針同じで3人位回し打ちだった・・・。そういう体験があるから、息子にも躊躇せず予防接種打ってしまうのかもしれないけど。

「インフルエンザ警報注意報」が地図上に示されるサイトがある。去年は流行が遅く、確か2月頃になってから日本地図が赤く染まっていったような記憶がある。一昨年は年末から赤くなり始めた。

一番いいのは流行しないこと。みんな元気で冬を越せるといいなぁと思っている。

      ☆

ジェンヌさんも冬になるとインフルエンザで何人か休演されたりすることもあるようだ。身体が資本、充分気を付けておられるだろうが、しんどいだろうなぁと思う。インフルエンザって、治った後も身体がダルいから。

もともと私たちとは鍛え方が違うかな?

出版物など

2004年11月27日 宝塚
「視線、来てたでしょ?」

「は?」

「「み」さんのこと、見ていったよ」

「うそ・・・気が付かなかった」

ディナーショーが終わってしばらくして、友人から言われた。

「いつ?」

「会場に降りて、「み」さんの前を通っていった時」

あの時だなぁ?でもその時、私は確か・・・ケロちゃんのあまりの男らしい顎のラインにみとれていたような気がする(号泣)。

あれだけ視線、視線と騒いでおきながら、見てもらった時には気が付かないなんて、ケロちゃんだって甲斐がないよね。しょぼん。

       ☆

今朝、大阪の地下街で下級生とおぼしきジェンヌさんたちを見た。

人の顔を全く見ないで歩いている私にとって、大阪で初めて遭遇したジェンヌさんだった!何で今頃、と考える。そうか、あさコンに出る子たちだな?場所は確かNHKホールだったはず。

しかしなんでそうナチュラルに地下街に・・・そうか、地下鉄乗るのか。ジェンヌさんが地下鉄!?これから舞台に出るのに地下鉄!?

スタークラスなら代表さんやスタッフさんが車で送ってくれるだろうけど、下級生ならそうもいくまい。かといってわざわざ通勤時間帯に地下鉄って。でも地下鉄じゃないなら何があるっていうと...JR?どっちも変わらないか。なら、選択は正しい。

肝心の誰だったのか?というとさっぱりわからず。背が高くて髪が短かったから、男役さんだな、ってこと位で。大体、出てるのが月組下級生ってことも、緑野師匠の日記読んで気が付いたんだから。目深に帽子も被っていて顔なんて見えないし。

それでもなぜジェンヌさんかとわかったかというと、揃いの公演服を着ていたから。背中に「ASAKO(かSENAか忘れたけど)」とか大きく入っていれば、いくら私でもわかります。

・・・そこまでしてもらって初めてわかるんかい、自分。これじゃあケロちゃんとすれ違ってもわからんかも。まさかケロちゃんがロゴ入りの服着て歩いているわけないし。

      ☆

贔屓の退団公演の初日というのに、下級生ジェンヌを見たということでうきゃうきゃ喜んでいる自分にがっくりしたり。

芯からの宝塚ファンだからなのか、いや、多分、まだ実感がないんだろうな。汐美さんが辞めるという。

あれだけ退団を思い知らされといて、まだ現実逃避してるんだと思う。

帰りに「運動会本」を買いに行く。星組東京公演のプログラムもあったのでそれも。

運動会本はざーっと見たが、まぁ、ちょこちょこ。応援席のシーンが多いかな。オープニングや応援合戦の時には完全に組子の中に埋もれていてわからない。

一番大きい写真は、綱引き後にとうこちゃんと肩を組んで引き上げて行く時の写真。出場した大玉転がしでもあんまり写ってなくて。なぜか資生堂の広告写真のコラージュに一枚写ってたりする。

プログラムはムラと変わらず。

オギーからのメッセージが「花も実もある」だったのが、ちかちゃんが入ったので若干変更。「いずれも魅力ある貴重な人材、替わる者などいない貴重な人材でした」に。

ありがとうオギー。

舞台写真がたっぷり載っていたが、芝居の方はねぇ、扱いがねぇ、ぶつぶつ。ショーではまだ載っていたけど。

でもあれ?あれ?スターのプロフィールっつーかメッセージっつーかインタビューはなし?なし?前から東京のプログラムってこうでしたっけ????

何なのよ。これじゃあ、東京公演しか観ない人は、スターさんがどういう人かとか、何を意図してるとか、この人いいな、と思ってもその人物像に触れるってこともできないじゃないよ。

ケロちゃんが退団ってことも、ちびアンケートを丹念に読まないとわからないっ。

オギーが言ってくれたからよかったようなものの。

ふん、もういいわ、何だって。どうだって。汐美さん退団後はもう、何だっていいのよ〜!!!

スター

2004年11月26日 宝塚
ありゃりゃ、また間違えてるよ。退団爆弾が降ってきたのは、8月2日でなくて、9月2日だった。相変わらず、いろいろ間違えてます。自分自身の間違いも面白いので、修正せずに置いてます。

なんでそんなインパクトのある日を間違えたかな?多分、“まだ暑かった”って記憶していたんだろう。
あの日からさらさらと時間が流れて、もうコートがいるような季節まで流れてしまった。12月末は寒いかな、暖かいかな、私は何を思っているかな・・・。

          ☆

私が宝塚を、汐美さんを知ったのは「LUNA/BMB」の時だった(といっても、その頃の私はまみさんしか目に入ってなかったけど)。

汐美さんはその時からプログラムは1P大写りだったし、階段も一人降りだったし。

だから私はスターな汐美さんしか知らない。

その汐美さんはスターなまま、今、宝塚を去ろうとしている。

宝塚ファンになってしばらくして、生徒さんたちの中には「路線」だの「スター」だのがいることを知った。その定義は今でもよくわからないのだけど、入団したとき、いや入団する前から決まっている人もいるらしい。その持って生まれた華というもので。

いつぞやの音楽学校の先生(校長?副校長?)がインタビューで、「スターになる人は音楽学校のお稽古場にいるときからわかります」とおっしゃっていた。

きっつい世界だ。

舞台に立とうという人が普通な人のわけがない。人よりできる、人より優れていると思うからこそ、舞台に立とうとするのだと思う。さらに宝塚の舞台だ、人より美しいと思えないと。だって入試条件に「容姿端麗」があるのだもの。

なのに、思い知らされるのだ。自分よりできる人、自分より優れている人、自分より美しい人、そして、自分より評価される人がいるということを。

成績、でスターになれるものでもない。檀ちゃんがいつも成績最下位だったのは有名な話。90周年の生徒大集合写真から割り出すと、ケロちゃんは研5では下から2番目だったらしい・・・。

ただ「路線=トップ路線=トップ候補」になるには、新人公演の主演をやっていないといけないらしい。このところは5組化したこともあり、「スター」である人はほぼ新公主役をやっている。

だから、汐美さんも新公主役をやっていると思い込んでいた。だって私はスターな汐美さんからしか知らなかったんだもの。やっていないと教えてもらったのは、ソナタの頃ではなかったかなぁ?樹里ちゃんもやっていない、コムちゃんもやってなかったが役代わり公演というものをやっていた、などという知識も増えてきた。

新公の主役はさておき、下級生の頃から新公や本公演、バウなどでちょこちょこ役がついたりする。立ち位置も指示される。同期として入ったにもかかわらず、自分と他人に差がつく。同期でなくても下級生の方がいい位置にいられたりすることもある。自分のスター度を毎公演に徹底的に思い知らされるわけだ。

きっつい。

それって努力でどうにかなるものなんだろうか?やる気でどうにかなるもんなんだろうか?(この際、資金は別として)

心がズタズタにならないんだろうか。

ズタズタになる位、弱い心だとやっていけないんだろうな。それを乗り越える位の強さとしたたかさが必要というわけか。

そんな場所で汐美さんは14年いたわけだ。

歌劇団の公式HPには「スターファイル」というものがある。文字通り「スター」じゃないと掲載されることはない。ここに今、載っている人で、新公主役をやっていないのは汐美・樹里だけだ。もう今後、新公主役をやっていない人でここに載るような人は出てこないだろう。

思い知らされ、周りから言われ、自覚し、そして舞台に立つ。その身を削られるような想いが、ジェンヌさんを輝かせる要因のひとつだと思う。

そうしてスターというものはできあがっていく。

ムラでの汐美さんは、地元出身ということもあってのんびりしたムードを漂わせていることが多い。だがこれが東京に行くと一気にスターモードに入ってしまう。私はスターな汐美さんを見るのが大好きで、ムラではほとんどしなかった入り出をいそいそしてしてしまうことも多かった。

私が感じることだけど、汐美さん自身も、スターな自分を好きだったように思う。だって舞台人だもん、タカラジェンヌだもん、スターな自分が嫌いだったらジェンヌなんてやっていられないと思う。

東京は劇場のある場所も都会のど真ん中、汐美さんのファンも西より東の方が圧倒的に多い。華やかな場所に呼ばれることも多かったろう、一般人の視線もまた厳しくも賞賛に溢れていたことだろう(ムラではほんっとその辺、ジェンヌさんが歩いているからなー)。

そういう雰囲気の中、汐美さんはスターのオーラをまとっていた。颯爽と歩く姿は紛れもなくスターさんだった。格好よかった。素敵だった。

じゃあ、スターでなくなっていくってことはどういうことなんだろう、と考える。

だから・・・私がスターな汐美さんしか知らないで終わるってことは、幸せなのか。そうなのか?

でも、私はもっともっと汐美さんを観ていたかった。ずっとずっと観ていたかった。

ずっとでなくてもいい、あと1年でもいい、2年でもいい、このうつくしいスターを観ていたかった。

そして、最後の「スター汐美真帆」の公演が、今日から始まる。

観劇予定

2004年11月25日 宝塚
この前の花組大劇場公演は観なかった。

観に行こうと思っていた日が、8月2日。どーんと降って来た爆弾にふっとばされて、観劇を出待ちに変更。以降、とても観る気になれなくなってしまった。

今回の雪組公演も観ない。

私が観劇しようとすると、息子を連れて行って預けるか、会社を休むかしかない。どちらも息子の体調を悪化させる(チャイルドルームに預けるから悪化する、ということではなくて普段保育園に行っていて疲れている息子を休ませられない、ということです)か、会社をたびたび休んで休みを取りにくくするか、というリスクが発生するわけだ。

今、星組公演中にリスクはわずかでも避けたい。

だから雪組を観る余裕はない。あさこコンサートも観られない。

でもきっと、後で「観ておけばよかった」と後悔する日がくると思う。まみさんの時も、退団発表にショックを受けて、「凱旋門」を観なかったのだ。

話の内容をビデオで追うことは後でもできるけど、「あの作品の誰々はどうだった」という生徒さんに対する自分の感想が持てないのだ。だから語れない。話ができない。つまらない。

でもその責任、というほどのものではなくても、観なかったということで生まれるマイナス点は自分で引受ける。そのつもりで花、雪は観なかった。

それだけ、星組公演への私の中の順位付けが高いのだ。

たまたまDS1日目の昼間のゆうひバウのチケットは、DSを観ることになったこともあって、手放さず自分で観劇することができた。

「これと同じ演目をタニちゃんでやったんだなぁ」と想像することはできても、実際どうだったか、自分がどう思ったか、を確認するチャンスは永久に失われてしまったわけだ。汐美DSのポスターと引き替えに。

だからゆうひバウは観られてよかったと思った。

夕方からのDSがどうなるんだろう、とどきどきしていて、集中力にイマイチ欠けていたかもしれないけど、観て無いものは後では何も言えないから。

で、実際どう思ったかというと、これまたDSの余韻でほとんど飛んでいってしまったので断片的にしか覚えていない。

確か、初日明けて間もないせいか、セリフが膨大だったせいか、ゆうひちゃん、大変そうだなぁ、と思ったことは覚えている。

メンバーの若い子たちも、さららんも大変そうだった。かなり難しいお芝居だったんじゃないかなぁ。

主演のファンだったら出ずっぱりだし、苦悩したり愛したり楽しんだりする場面がたくさんあるので嬉しいだろうな、とか。

今はあまり思い出せなくても、私自身のどこかには観たことはちゃんと残っていて、またいずれ何か記憶や印象を思い起こすきっかけがあれば、きっと思い出せると思う。だから観ておいてよかった。

来年もちゃんと大劇場は観たいと思っている。

宙組は大好きなのでいずれ行くつもり。月エリザは友会でA席が当たったから行けるだろう。

でも、もしかすると星組は行けないかもしれない。汐美さんのいない星組を観る勇気が出るまでは。

コシノヒロコ展

2004年11月23日 宝塚
芦屋市立美術博物館で開催されていた「コシノヒロコ展」へ行ってきた。

本当は21日の最終お稽古日に入りの後、行こうと思っていたのだが、息子の発熱で行けなかった。会期は今日までなので、行くなら行かねば、と思っていたが、お昼寝が長引いてしまい、出るのが遅くなってしまった。

芦屋市立美術博物館は芦屋の浜側にある。駅から歩くには少しある。谷崎潤一郎記念館や芦屋市図書館などと一群になっていて、住宅地に埋もれるようにある。グリーンも多く、手入れもされていて雰囲気のよいところだ。

芦屋市の財政難もあって、閉館だなんだと騒がれているが、なかなかよい美術博物館だ。面白そうな催しの時は時々行っていたし、図書館には「血と砂」の原作本を読みに来ていたこともある。

周囲は一方通行が多くて、ぐるぐる回ってしまう。駐車場は芝生敷きだし、停まっている車はベンツだアウディだBMWだばかりでぶつけないように気を遣う。ほとんどスペース埋まっていても、身障者用スペースがちゃんと空いていてお行儀がよい。

美術博物館の外構にはコシノヒロコ展の幕が張られていてかなり力の入った催しだと気付いた。受付まで誘導してくれる係員がいたり、チケット売り場から入り口までは中が真っ赤な(コシノヒロコレッドというそうだ)トンネル状のエントランスがあったりして、普段はひっそりしている美術博物館とはかなり雰囲気が違う。

息子をベビーカーに乗せて行ったのだけど、ちゃんとスロープになっていたし、エレベーターも教えてくれたりして問題なかった。

受付前では立札を持った人が、サイン会の行列を作り始めていた。どうも今日、1時と3時でコシノヒロコさんのサイン会があるらしい。会期の最後の日に来るんだぁ、と思いながら会場へ。

展示は14ブース、1階と2階に分かれていて、洋服はもちろんテキスタイル、絵、水墨画、書、ファッションイラスト、映像などもりだくさん。すぐ間近で洋服を見ることができて感動。

洋服はもちろんだけど、絵も書もものすごいエネルギーを感じる。ひとりの女性がこれだけ生み出せるものかと驚く。

もっとじっくり見たい思いながら駆け足で。入館者は最終日ということもあるのだろうか、かなり多くて、その間を縫うようにベビーカーを押して歩く。息子が飽きる前に見てしまわないと、この中で騒がれてはご迷惑だろう。

宝塚関連の衣装は、最後の14番目のブース。いつもはテーマ関連講義があったりする場所だ。

聖母の絵なども配置してひとつのセットのように組まれた空間の中に「ドンファン」で使われた衣装がかなりの量、立っていた。無造作、というと言葉が悪いけど、そんな感じでぎっしり立ててあるのだ。もちろん、カバーなどなく触れるところ。触っている人はいなかったが。

私は出産時期だったので「ドンファン」は観ていないのだけど、リカさんや幸ちゃん、えみくらちゃん達が着ていたはずの衣装がそこにそのままあった。ガクランもあって「これを着ていたのか〜」とその細さに驚いたり。

後はミュージアムショップでも見て帰ろう、とショップに入ると携帯が鳴った。

汐美ファンの友人からだった。なんと、サイン会の列にいるという。まさかこんなところまで来ているとは、と驚く。だってかなり駅から遠いし。歩いて来たらしい。

図録を買って来るとサインしてもらえるよ、と言われる。なるほど。一人だと飽きた息子を持て余すだろうから並ぶ気力もないが、友人がいてくれたら、ベビーカーから降りた息子を追いかけ回すこともできるか、と思い図録を買ってショップを出る。

友人はせっかく並んでいたのに、再度私と並び直してくれた。

少し押しつつ、3時過ぎに先生登場。庭の一角に置かれた長テーブルでサイン会が始まった。

列が動き始めた時、庭を歩いて来る金色の頭。普通の人とはスタイルが全然違う。

「ゆうひちゃんとるいちゃん!」友人と驚き合う。まさか今日、来るとは。こんなところで会うとは。昨日、バウの楽で打ち上げ等もあったろうに、タフだなぁ。

サイン会が行われている庭のすぐ横には、ガラス張りのちっちゃな喫茶店がある。そこに男性2人と入っていった。サイン会の様子が一番よく見えるテーブルに座る二人。残念ながら西日が強かったのでゆうひちゃんはブラインドを半分位降ろしてしまった。

そのブラインドの下から時々顔を覗かせてコシノ先生の様子を見ているのが可愛い。

二人の向かいに座っていた男性はどうも市長らしい。でも、会場に“タカラジェンヌ来場!”などとは書かれていなかったから、半分お仕事半分プライベートってところか。

月組、着物ショーメンバーはコシノ先生とお付き合い続いているようだから。汐美さんも。DSには1日目に来られていたそうだし。

汐美さんも忙しくなければ来ていたかもしれない、などと思う。残念。

サイン会の列は進む。息子はなんとか大人しくしてくれている。

整理券の裏に名前を書いておくと、名前入りでサインしてもらえるらしい。

サインが済んで、庭でサイン会の様子をみつつ、喫茶店の中のゆうひくんたちの様子を見ていた。なかなかこんなにゆっくり見ているチャンスはないし。喫茶店の中に入りたいな、とちょっと思ったり。

息子がとうとう飽きがきてしまったので、ベビーカーから降ろして庭で遊ばせる。大喜びの息子。

サイン会は30分と言っていたのに、1時間近くかかってやっと終わった。拍手が巻き起こり、先生もご挨拶。

しばらくしてサイン会を見ていた人たちも帰っていき、庭は静けさが戻ってきた。

ゆうひくんたちが出て来るかと思っていたが、先生が喫茶室に入ってしまい、腰を落ち着けてしまわれた。

友人もタイムリミットということで会場を後にする。おそらくこれから先生達と一緒に会場を観て、その後会食って感じではないだろうか。庭先にはハイヤーも停まっていたし。

有意義な休日だった、と頷き合いながら友人を駅まで送り、買い物して帰る。芦屋のスーパーはやっぱり高級車ばかり。でも芦屋の雰囲気は大好き。そういうことがごく普通でのんびりしていて。芦屋市立美術博物館もなんとか存続してもらいたいな、と思う。
会社への行き帰りのみが、私の自由な時間。メールを打ったりぼけっとしたり。このところ、ずっとDSの音を聞いていた。

・・・ケロちゃんてこんなに歌、ヘタだったっけ?

うわーん。歌、ヘタだと思ったことないと前に書きました。本当にそう思ってたんです。でも音だけ聞いていればこんな風に聞こえるんですね!?しくしく。私は聴覚より視覚優先の人間なので、気が付かなかっただけかなぁ。

いや、というより、DSの時に聞こえていた歌と、音だけ取り出した歌が違うように聞こえるのでびっくりしていたのだ。

一体あれはなんだったんだろう。最後のDS、最後の宝塚での舞台、集まって来るケロファンの友人たち、客席に現れるジェンヌさんや関係者たち。そんな中で一種の興奮状態だったのかもしれない。

何より、美しく、本当に美しく、かっこ良くて余裕すら感じるその汐美さんの姿に見惚れて、飲み込まれていたのかも。

幸せな時だった。もう二度と味わえない大切な時だった。

      ☆

聞きながら、思い出しながら思ったこと。

私は月時代からのファンなので、雪時代の歌は「こういう歌を歌っていた」と言うことしか知らなくて、それをまた生で聞くことができて嬉しかった。

もし星からのファンの方がいらしたら、それは同様に思われるだろうと思った。上手に汐美真帆の年代をバランスを取ってみせてくれていたのだ。

「こわれたオモチャ」の時、娘役さんたちが着ていた服は、ケロちゃんが愛した相手役の衣装だった。「血と砂」のドンニャはご丁寧に(笑)胸元のボタンまで外していた。「凍てついた明日」の派二ーはわかった。あと一人、ピンクのワンピースは誰を現していたのかな?

その後、インストゥルメンタルの曲に合わせて、台の上で南海まりちゃんと踊るのだけど、この時の表情がやさしくて、色っぽくて。いつも舞台上でとろけるような顔で娘役さんたちをエスコートしていたあの笑顔。大きな手で腰を抱え、手を取る。いかにも男役といった風情で大好きだった。

そしてグリーンの衣装のまりちゃんは台の向こうへ去って行く。せつなくて甘い旋律と二人の醸し出すムードがぴたりとはまったワンシーンだった。

ケロちゃんならではの特性を見事に切り取り、再現していたオギーはよく生徒を見ている。よく見ているというより、瞬時に捉える能力のある人なんだろうと思う。

“ああ、この人は芝居が好きなんだな”と思ったのが、ルパンのシーン。娘役さんたちが警備員になってうろうろしているとき、忍び込んだケロルパンが、あちこちに隠れたりしていた。その時、自分の身体を自分で抱くようにして、恋人たちが二人で抱き合っているようなフリをしていた。腕が長いからできることだし、1回目、2回目ではやっていなかったような気がする(してたらごめんなさい)。わずかな芝居っけのシーンでそういう風な振りを入れてしまうんだなぁと思って見ていた。

ケロちゃんのために書かれたフルコーラスの歌というのは、「地上の龍」と「血と砂」と「Platinum」かな。「スペシャルセミナー」もそうだけど、本人のためというよりセミナーのための曲(笑)。

今回のDSのテーマ曲も入れると、この4曲の詩を書いてくれたのが、齋藤、藤井、荻田の各先生方なのだ。

今の宝塚で力と勢いのある若手演出家たち。藤井先生が昭和44年生まれで、齋藤先生、荻田先生は昭和46年生まれだそうだ(産経のサイト参照)。ケロちゃんよりも若いけれど、入団年はケロちゃんの方が先なので、「ケロさん」「○○クン」と呼んでいる感じだ。

彼等が伸びていくそのまっただ中で、ケロちゃんのための曲は作られたのだな、と思うと何となく嬉しい。

彼等はこれからも在団し続け、宝塚や外部の作品を作り続ける。若くていろいろあったであろう年月、ケロちゃんと過ごした若い日々を忘れないでいてくれると嬉しいなと思う。

こんなとこかな、DSの感想で書いていなかったことは。思い出したらぽつぽつ書くかもしれません。

そうそう、ひとつ心残りがある。DS千秋楽、スタンディングをすればよかった!後方席の方々は立ってくださっていたようだが、あれって前方席の人が立たないと連鎖反応が起こらないからな。そうしたら、もっと泣いちゃってたかもしれないけどね(苦笑)。

今回のDSで言葉の魔術師・オギーらしい部分というのがあと一つ残っている。

それはプログラムのパーツ別タイトル。一応、書き留めておく。
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TANGO〜JAZZ
“素敵なあなた”

ノスタルジア
“Veni O Bella"

LUPIN
“Something Anything”

闘牛士
“美しき日々”

J style 〜 Latin
“COPACABANA"

THE LAST
“Legend and so on・・・”
----------------------

荻田先生、そして汐美さん、素敵なショーをありがとう。

小児救急

2004年11月21日 育児
救急、時間外診療には、出産するまで縁がなかった。だが息子はなぜだか盆やGW、連休などによく具合が悪くなり、救急にお世話になることが何度かあった。

昨日も救急で診ていただいた。

午前中元気にしていた息子が、お昼寝の最中からぐずり始め、熱を測ってみたら37.4℃に。このくらいの子供なら、37.5℃までは平熱だから様子を見ることにした。発熱していてもしていなくても、夕食と翌日の買い物には行かないといけないのでスーパーに。普通にレジのお姉さんに愛想を売ったりしていた。

帰宅後も元気に遊んだりお手伝いしたり。子供の容態の観察で大切なのは熱を測ることだそうなので、まめに熱を測る。38.5℃。こりゃあもう発熱だ、でも元気にしているから明日まで様子を見ようかな、午前中耳鼻科に行ったときには耳も喉も大丈夫、と言われて抗生剤を含む薬をもらっているし、病院へ行くのは月曜日でいいかな、夕食の下ごしらえをした後再度熱を測ると39.5℃。息遣いもはぁはぁと荒くなり、目がとろんとし始めた。

こりゃあ、ちょっと。あまりに急激に熱が上がって来ている。一番怖いのはインフルエンザ。予防接種一回目は済ませたけど、1歳半では効果は40%程度しかないという話もある。前の時のようにいきなり戻して入院騒ぎにまでなっても困る。

小児救急をやっている病院に電話をし、診てもらえるか聞く。OKとのこと。暖かくして行く。

事前に電話をしていたので、すぐ受付。待合では何人もの人が待っていた。救急とはいっても、主に小児を診てくれる病院なので、子連れの家族ばかりだった。救急といっても即、診てもらえるわけではなく、やっぱり順番待ちなのだ。

「ER-救急救命室」が好きでよく見ていた。冬ソナにふっとばされて放映は延期されるは時間は夜中になるはで、もう見てないけど。

時々やってくる救急車。でもあの番組のように後ろにBGMが流れたりするような、看護士さんたちが走ってくるような、そんな雰囲気はなく、運んでくる救急救命士さんたちも落ち着いていて。待合でひたすら待っている家族の間を、静かにストレッチャーが動いていくだけ。

やっと息子の番に。小児科の先生の救急対応は本当に大変だと思う。私たちの後からもどんどん子連れの家族がやってくる。いつ終わるともわからない。結局息子の喉はまっかっかで「咽頭炎」と診断された。ほっと一息。朝、耳鼻科で診てもらった時には喉は大丈夫だったはずなのに。

念のため、質の悪い菌がいないか検査してもらう。結果待ちの間、待合で待つ。

普段の診察の待合なら、走り回る子供がいたり、いらいらする大人がいたり、館内放送が流れたり、皆の関心のベクトルは四方八方を向いていて、それが病院とはいえ活気を生んでいる。

救急や時間外診療では、待っている人の関心事はひとつ。ぐったりしている家族が、子供が大丈夫でありますように。早く診察してもらえますように。その思いだけが待合を満たしている。

生後間もないと思われるちっちゃなちっちゃな赤ちゃんを抱いた若夫婦がいたり、もう小学校入学手前だろうと思われる子供が父親の肩に顎を乗せぐったりしていたり。

早くみんな診てもらえますように。大事ないように。声には出せないけど、自然とそう願ってしまう。

そんな中でお腹が空いたか眠いか喉が痛いかつまらないか、なんだかわからないけどひたすらぐずる我が息子の声だけが響いていた・・・・。

結局、妙な菌も出ず、水分さえ摂れて、周りに働きかけができていれば心配なし、熱が続くようならまた診察を、ということで帰宅できた。前回はここでまさかの点滴・入院となったので心配していたけど、大丈夫だった。

       ☆

翌朝には、息子の熱は37.5℃。元気元気でママといるのが嬉しいらしく、絵本を読めだのおんぶをしろだの。大人は体温計で熱があるかを判断するけど、子供は自分の身体で熱があるかどうかを決めているのだな、と思う。

ちらっと汐美さんの入りに間に合うかな?なんて思ったり。ああ、どこでもドアが欲しい。ちょっと行って帰ってこれる距離ならいけたのに。

午前中のお昼寝の後、熱はさらに下がって36.6℃に。伝言ダイヤルを聞くと、出もかなり早め。再び、今から行けば間に合うかも、などと思う。もちろん、思うだけなんだけど。

遅めの昼食後、ちょっと遊んでまた昼寝。遊びたがる息子を寝かせるには、こちらが寝てしまうことがコツ。そうすると諦めて横でいつの間にか寝てしまうから。

夕方熱が上がることが心配だったのだけど、夕方再度測っても37℃なかった。元気でお腹をすかせている様子だった。もう大丈夫。

しかし、20時間ほど前には40℃近い熱を出していたのに、もうけろっとしているって子供って変化が激しいな、と思う。よいほうにも早く変化するけど、悪いほうにも早く変化するんだろう。気をつけないと。

入りに行けなかったことは残念だけど、きっと行けば何かあったから、行けないように、息子が熱を出したのだろう。

      ☆

汐美さんの出の様子はkineさんの日記をご覧ください(勝手にすみません)。きっと幸せに最終お稽古日を終えられたと信じている。

残念だけど

2004年11月20日 宝塚
明日のお稽古最終日の入りには行けない。

息子が発熱、40℃近くなり、救急で診てもらうことに。
これが先週や先々週でなくてよかった。息子よありがとう。

今日はとてもあたたかく、よい日だった。

汐美さんの最後のムラでのお稽古のである明日も、よい日でありますように。
食事が終わる頃、ふと顔を上げると入り口にほわほわの金色の髪の毛が。まるで少年のようなゆうひくん。帽子を目深にかぶって眼鏡をかけていた14日と違って、帽子も眼鏡もなし。すっきり美しく装っていた。2日連続で来てくれるなんて、嬉しかった。今日はテーブル席。よく顔の見える位置に座ってくれたので、後方テーブルにいるゆうひファンの友人を呼びに行く。こちらテーブルまでやってきて大喜びでうっとりしていた。残念ながらとうこちゃんの席は全く見えず。

会場全体がなにやら興奮状態のまま、ショーの開演が告げられた・・・。

      ☆

終演後は椅子に座り込んでいる緑野師匠の様子をうかがい(お茶会の時はそこまでダメージがひどいとも思わず、放り出したまま帰ってしまった。ごめんなさい)、大丈夫と確認してから友人と帰路につく。

宝寿のロビーでは、とうこちゃんたち星組上級生がオギーと談笑中。エスカレーターで降りていった。他にもうんと下級生か音校生かな、というような子達もエスカレーターで降りていく。トップコンビも行ってしまったそうだ。ゆうひちゃんはいないかな?

エスカレーターで降りていくと、最後のクッキーつきポスターを売っていた。売れ残るのも悔しく悲しいと思っていたが、私が見たときはあと3セットほどだった。よかった〜。まだ在庫はあったかもしれないけど。

ぼったくりというより、14日にホテルの売店見に行ったけど、2100円の箱詰めクッキーって確かにあった。あれとセットされてるわけで、ポスター自体は無料だと思うんだが。2100円出すにはちょっとあんまりなクッキーってだけで。一応、自然素材を生地に練りこんだという説明書きがついていたよ。クッキーじゃなくて、バターケーキとかさ、同じ値段でもうちょっといいものでもいいと思うんだが。結局普通に売れてないんだろうな。あのクッキー。

あんまり時間もないので、別の友人もつかまえ、余韻に浸りながら帰った。

だから!私のDSの締めがすずみん、なんてことにならずに済んだ(笑)。私も遭遇していたら、絶対、ドリーさんと同じ反応をしていたと思うわ。

すずみんなぁ。そのカンチガイオーラを緑野師匠とkineさんが愛しているのはわからんでもないけど。微笑ましいのもわかるから。

そのカンチガイオーラが汐美さんにもあればねぇ。いつも立ち位置、一歩後ろ、な人だったから。「血と砂」を前方席で見たとき、横一線に並んでるはずのゆうひくんより、一歩さがってたんだわ。とほほ。無意識に下がっちゃってたんでしょうね。

でも今回のDSでは一歩も下がらず、左右にぶれず、一番高いところ、一番前、一番真ん中、一番客席に近いところで余すところなく「汐美真帆」を見せてくれた。それが嬉しかった。

      ☆

DSのパンフですが、ゆうひくん一回目のDSは新阪急で行われて、そのときのパンフをちらりと見たが、カラーだったような気がする。A4サイズだったような??ホテルによって違うのかもしれない。

次の宝ホDSはきりやんかゆみこちゃんだから、それ見たらわかるのではないだろうか。行く予定は全くない・・けど、ケロちゃん来たりするんでしょうか?どちらも一応縁ある人だしな。

ゆうひくんのDSといえば、そういやあ、ケロちゃん、ゆうひくんの1回目のDSのときには、大阪東京合わせて3回も行ってるはず。2回目のDSの時にはなんか受付の「中」にいたとかいなかったとか。お前は身内か!?みたいな(苦笑)。

まぁ、だから今回ゆうひくんが連続で来てくれたってのは、ごく自然なことなのかもしれないなぁ。

        ☆

「グラフ」。あの〜、街で見かけたら声、掛けていいんですか?今までは関西人の掟として「街でジェンヌさんを見かけても、じろじろ見ない、声はかけない」を守ってきたつもりです。

特に、OGになったらそれは一般人なんだから、声掛けちゃいけないでしょ?と思っていた。いいんなら!これから目を皿のようにして街を歩くわ!

といっても、私、あんまり、街中で有名人見たり、偶然知り合いと会うこともない人で。妹は「誰と会った、誰を見た」と毎日のように言う子だから、視線の持って行き方が違うんだ。私は人よりも街の風景を見ているようだ。ポスター一枚、昨日と違っていると気がつくが、人は全く覚えられない。

でも、汐美さんならわかると思いたい。あなたがそのまま、汐美真帆として生きていていたことを、これからも大切にしてくれているなら。

まみさんの名前、出してくれて影響受けたと言ってくれて、嬉しかった。とっても。系統は全然違うのにねぇ。よかった。

それから、自分が爽やか系だと思っていた、と?マジですか?私は雪組時代を知らないからなんともいえないけど、月組時代はもうフェロモン系でしたが!?

自分のことを知らないのね。だから「普通、退団なんて突然なもの」と言えるんだ。実際の事情はまた別として。

退団が突然なのは研10までの下級生です。あなたクラスになると、そろそろかな、ってことはファンも察知し、用意する。わたるくんかとうこちゃんと一緒に辞めるだろう、それがファンにとっては普通の考え方。組長になるまでいると思っていた人も結構知り合いにはいる。

退団発表から3ヶ月が過ぎ、大劇場公演も舞踊会もディナーショーも終わったというのに。取材記事やグラフにも退団記事がバンバン載っているというのに。往生際の悪い私は「今からでも退団ヤメ、になんないかなー」とぼけっと思っていたりする。

汐美さんが「淋しいと思うことが自分が宝塚を愛している証拠」というなら、「諦めきれず文句を言い続けることが、私が汐美さんを好きな証拠」なのだと思う。

汐美さん同様、来年以降のことが考えられない。何かみつけないと抜け殻になりそうだ。

         ☆

そして、DSそのものの感想がまた書けてない。うーむ。
緑野師匠から、DSのステージ後ろのタイトル部分は「幕」でいいのでは?とご指摘が。緑野師匠、ずっと前方席だったから確かだと思う。なるほど、いちいちあの形の電飾作ってたら、費用がかかって困る。文字だけ布をくりぬいてかければいいわけだ。

前回の「プラチナ」のDSを実際に見た友人が(つまり私は実際には「プラチナ」を見ておりません)、ステージセットが前よりずっといい、前はもっとぺなぺなしていた、と教えてくれた。オギーのセンスか、学年があがって配慮されたか、退団への舞台装置スタッフからのはなむけか。赤をベースに(もうあんまり覚えてない)縦の線が入った、素敵なセットだった。

音を聞いた友人が、始まりのオルガンが教会の音楽のようで、汐美真帆が召されていくようで、と。しくしく。そういわれれば、セットのステージもまるで祭壇のようだったかもしれない。・・・祭壇の上で踊ったりしてはいけませんが。

       ☆

15日は朝一番で息子を病院に連れて行った。14日の夜遅くまで起きていたせいか、朝からごろごろしている息子。昼間、発熱してお呼び出しがかかったらどうしよう!?と気が気ではなかった。病院で診てもらったら、ひどいのは鼻水だけで、喉の腫れもなくほっとする。病院に行った辺りから元気になり始める。保育園に薬と一緒に預ける。今日一日だけは、何とかもってください!

慌てふためいて着替えて、ムラへ。座席を引き換え、DS昼の部。昨日はどんなショーかわからず緊張していたが、今回はゆとりを持ってのぞめた。

ケロちゃんは「ディナーショーは3回とも違いますので、ぜひ3回とも来てくださいね」と言っていた。確かに。

・・・2回目を観終えても、違いが私にはわからなかった。友人たちと話をするが皆わからないという。会場退出時にもらえる曲目リストも全く同じものだったし。

確かに「お料理のソースは」みんな違いました。そういうことだったのか?マジで!?

でも3回観てよかったと思う。こんなにお金使っちゃったけど、後悔はしていない。見られたことを感謝している。

(ま、この「今しかない!だからお金出して見る!」が宝塚が繁栄し続けてる理由、なんだけどね。しっかり乗せられてるんだわ)

昼の部のお客さまは星組下級生、って感じだった。会場後方に椅子席は設けられなかった。

昼の部終了後、友人と一緒に緑野師匠、ドリーさん(命名:緑野師匠)と合流。緑野師匠にあっさり正体をバラされる。でもドリーさんは最初からわかっておられた様子。くくく。ま、バレるわな。
ドリーさんは宝塚ホテルにお部屋を取っておられるということで、友人ともどもお部屋にお邪魔させていただく。こんなに何度も宝ホには来ているのに、シングルのお部屋は初めて。とても可愛らしい、窓から見える木々も雰囲気がいい。

緑野師匠が書いておられるように、お向かいは出演者4人娘さんたちの楽屋だった。向かい合わせの部屋だから、おそらく楽屋もシングルルーム。可愛いちっちゃなお部屋。こういうところでメイクしたり着替えたりするんだなぁ。

ケロちゃんは多分もっと広いお部屋よね?せめてツインくらい使わせてもらってるよね?楽屋に挨拶に来られる方も多いはずだし。娘役さんたちのところにもお客さまや先生方も来られてるんだし。

途中、腹ごなしもかねて友人や緑野師匠とコンビニに買出しに歩いてみたりした。お腹減らない〜。街中歩いていても、ジェンヌさんとばんばんすれ違うけど、誰が誰だかさっぱり。平日の昼間だからこんなにいるのかな?
それ以外は、ずっとお部屋でおしゃべり。一番ウケたのが、スカイステージで流れた月バウのさららんの頑張り・・・だった。

おしゃべりは尽きないけど、そろそろ会場に行かないと、と思い始め、廊下に出て所用の電話をかけていた。エレベーターからルームサービスのホテルスタッフ
が来て、娘役さんたちのお部屋にお食事が運ばれていった。私たちはテーブルでディナーというのに、申し訳ない。

さて、そろそろ、と部屋に戻り荷物をまとめていると、廊下からざわざわと大勢の声が聞こえてくる。どうも楽屋にジェンヌさんたちが激励に来ているらしい。
こ、この中を出て行くのは勇気がいる!しかもシングルルームに4人もいる私たち。怪しまれるよねぇ。

でももう、行っちゃえ!と飛び出す(詳細は緑野師匠の日記をご覧ください)。が、ドリーさんがお部屋に逆戻り。その間、ジェンヌさんたちをこっそり見てしまう。みらんちゃんはわかった。その他10人ばかり。訪問してもらった娘役さんが「みんなのパワーをもらって頑張る!」というようなことを言っていた。あ
あ、楽屋日記のようなこと、本当に言うんだな、そしてケロちゃんのDS頑張ってくれてるんだ、と嬉しく思った。

いったんロビーに戻ると、しぃちゃんだのまとぶんだの。利助もいたし。あっち見てもこっち見てもジェンヌさんだらけ。この時間から来るってことは、ディナーも食べるってことかぁ。

星組下級生や月組生も見たし、あとはわただんとうこ、かな?来てくれるかな?前のDSの時には来てくれたたかちゃんは15日はお仕事だそうだ。ま、トップさん2人もは無理か。

自力で取ったお席は、電話がかかったのが遅かった割には見やすいよいお席。緑野師匠は最前列センターだからもっとすごい。隣テーブル辺り、会場の真ん中前方のテーブルがいくつも空いている。多分ここが生徒席だね、などと会話しながら待っていると、ジェンヌさんが来る来る。どこ見たらいいかわからない〜。

そしてわたるさん登場。檀ちゃんも一緒。同期のきんさんも。はぁ、もうやっぱりトップ夫妻はオーラが違う。わたるくんは皆より頭ひとつ大きくて男らしいし、檀ちゃんは髪型も凝っていて、美しくて美しくて。鼻筋がすっと通っていて指先まで神経が行き届いている感じ。舞台で見る以上に痩せていた。

しぃちゃんまとぶんのテーブルも近くて、笑いながら食事している姿も見えた。しぃちゃんてホント、あのまんまなんだねぇ。にこにこにこにこ。とうこちゃんたち同期もテーブルの間を縫って歩いていた。こちら側を向いて座っている清十郎さま、なぜそんな彫りの深い顔なんですか!?

わたるくんのお席の隣には公平理事長夫妻が来られた。ちゃんと立ってご挨拶している。トップコンビにはケロちゃんのご家族も挨拶に来られていた。トップって一種の管理職なのかもね。
檀ちゃんも食事ってするんだぁ、と見ながら自分も食事。食べ方ですらなんていうかトップっぽかった!(なんだそれは)。

フアンの妻だったたまこちゃんも会場を歩いていた。ホテルスタッフに、ショーから後ろに椅子を用意してもらえるよう頼んでいた。割とさっぱりした性格の様子だった。

食事の最中も、知り合いのジェンヌさん同士が立って話をしたり、テーブルを訪問したり。プラチナちゃんの京樹真那ちゃんも。髪の毛を伸ばして女らしくなっていた。・・・ケロちゃんもああなるのかなぁ。

(・・・続きは明日付の日記で)

主に訂正など

2004年11月17日 宝塚
やっぱりいい加減に記憶だけで書いていたので、間違いがいろいろあったようだ。

・ケロちゃんがフルートを吹いていたシーン、実際に吹いていた。口パクだと思っていたのだが、知り合いに「口パクだけだならあんな変な顔しない!」と言われて、15日の昼の回を見てみたら、息づかいもしっかり入っていた。すみません。

・ゆうひちゃん、毎日2公演で大変ななか来てくれた、と思っていたが、15日の月曜日は14時半の1公演の日だった。でも大変な中、来てくれたことに間違いはない。ありがとう。実際、ほとんど一人芝居みたいな舞台だったから、舞踊会出たりしてる場合ではなかったのではないかと思った。

ゆうひちゃんで思い出したけど、エレベーターで乗り合わせたゆうひちゃんは、帽子をかぶっていたせいか、ちっちゃく感じてしまった。背もそんなに高くないような・・・多分、すごい細い、華奢な人なんだろうな。
15日の夜も目の前で見たけど、黒い鞄を肩から斜め掛けにしていて、まるで少年のようだった。あれでもう○○歳なんだよね?びっくり。

ケロちゃんも舞台上では大きく、ごつく(すみません)感じる。DSのルパンで髪を逆立てて客席で隠れていたとき、目の前だった。顎のラインがしっかりしているから、男のような精悍さがあった。

しかしこれが、実際にオフの姿で会うと、華奢なキレイなお姉さんなのだ。細いのなんのって、公演によってはひどく痩せてる時があるのだけど、身体を横からみるとぺらんぺらんだったりする。

あれだけ細くないと、キレイにみえないんだなぁ。私のような者が舞台に立つと、どすこいお相撲さんみたいになるんだろう。

・DSの舞台セット、後ろにDSタイトルの入った幕、と書いたが、会場が暗くなるとそのタイトル文字が光っていたから、電飾だったようだ。

やっぱりいろいろ間違ってるなぁ。私のこの日記は信用しないでください。嘘は書いてないけど、思い込みが激しいかも。

昨日は朝、身体が熱くて熱くて、アイスコーヒーなど買ってしまい、飲み終えて氷をバリバリかじっていたら驚かれてしまった。さすがに今日は身体が妙に冷たくて、なんだか風邪をひいたような感じ。本当に精神的に切れてしまったのかな。

DS当日のこととか、もうちょっと書きたいのだけど、今日はもうやめておきます。

明日はゆうひくんバウ、唯一夜公演がある日。お稽古中のケロちゃんが行けるとしたら、明日位かな?と思っているのだが、どうだろう?行くかな?

私の好きなひと

2004年11月16日 宝塚
ちょっと復活。でもまだよろよろ。すごい余韻で身体まで熱い感じ。

かのちかちゃん、退団なんだ・・・。ショーの最後でケロちゃんと白い衣装で踊る場面がある。あれはそういうことだったのかな?でもファンはたまらないだろうな。だってもう友会エントリーも一般発売も終わってしまってる。今からどうやって東宝のチケットを手に入れるというのだろう。

お互い頑張りましょう。

ムラの集合日で、ケロちゃんたちと一緒に退団発表していたら、ケロちゃんのDSに出ていたかもしれないな、と思う。それはそれで嬉しかっただろうけど、今、完成したDSを観てしまったあとでは、あのショーにかのちかちゃんをどうはめ込むのか、想像もできない。

・・・それくらい、完成された、美しいショーだった。私たちケロファンにとっては。

ご本人も美しくて美しくて。スタイルも痩せ過ぎず太り過ぎず、衣装の着こなしも隙がなく、化粧も完璧、髪型も綺麗で工夫されていて。

私がDSの中で一番好きだった衣装は、最後の白い衣装(「血と砂」の衣装除く)。若過ぎても着こなせないだろうハードな感じがあり、でも、ブラウス部分の刺繍が華やかで、かといってトップさんではあのストイックさは物足りなさがあるだろう。

ケロちゃんの今の雰囲気だからぴったりだったように思う。

・・・その恰好いい姿で、ハンカチ目と鼻に当てながらびーびー泣いている姿は・・・やっぱり可愛かったです。

あれだけ丁寧にケロちゃんの過去を洗い出してくれたのは、やっぱりオギーでしょうか。「凍てついた明日」が無かったのは寂しいと思ってましたが、ハニーが衣装だけで出ていましたね。ビッグジュールがいなかったのはしょうがないか。ウバルドもちょっと無理?

でも、いいや。

「プラチナ」の時のように、周りのメンバーの一員に同化してしまうようなこともなく、堂々と、本当に堂々と、ステージ上のさらに高い台の上の真ん中で、美しくポーズを決め、会場を見回していたあのゆとり。素晴らしかった。見たかったケロちゃんがそこにいた。

MCもなく、アンコールもなく(ちょっと残念だったけど)、ショーに集中し、ひたすら私たちが見たい汐美真帆をみせてもらえた。

15日の夜の部で、私の座っていた場所からは、もう生徒さんがそれはよく見えて、ちょっと顔を上げれば、わたるくんが食事してるし、檀ちゃんの横顔は整っていて美しいし、こんな綺麗な人がいるんだと思える清十郎さまはいるしで。

ゆうひちゃんの顔もはっきり。ほわんほわんの金色の髪の毛が目立つ。隣の月組生たちとにこにこ笑いながら話をしている。ディナーは食べず、コーヒーから来ていた。ゆうひちゃんがあんなににこにこしているのはなんだか久しぶりに見た気がする。

ショーが始まり、胸が痛くなるような「血と砂」の時、ゆうひちゃんがどんな顔してるかな、と気になってちらっとだけ見た・・・んだけど、やっぱり一瞬たりとケロちゃんを見逃したくなくて、視線をステージに戻した。

きっと一所懸命見ていてくれたと思う。

アンコールで、泣きじゃくりのケロちゃんが出てきた時には、笑顔で見守っていた。「あーあー、もう、あんなに泣いちゃって」とでも言ってるかのような笑顔だった。

ゆうひちゃん、大好き。ケロちゃんを愛してくれてるから。わたるくんも大好き、ケロちゃんを包んでくれてるから。檀ちゃん大好き、ケロちゃんにキスしてくれたから。

私、そんなヤツです。ケロちゃんの事を好いてくれている生徒さんは無条件に甘いです。月組時代、ケロちゃんとくっついていたゆうひくんのことは大好きでした。でも組が離れて接点がなくなってしまうと、なんだかどっちでもいいや、になっている事に気が付き、愕然としました。

私は「ケロちゃんを好きなゆうひくん」が好き、なだけだったんです。なんてヤツでしょうね。でも今回、唯一、DSに2回来てくれたのがゆうひくんで、「血と砂」が一番好きな私は、やっぱりとっても嬉しくて。ゆうひくんほどのクールビューティが、ケロちゃんを好きでいてくれてるのが、ちょっぴり自慢であり、誇らしくもあり。

多分、これで時間は止まるから、私はこれからもずっとゆうひくんが好き、でしょう。

出演者も、会場に来てくれた星組生も月組生も、スタッフさんも先生方も、私は好きでいられると思います。

ケロちゃんを愛してくれた人たちだから。

かのちかちゃんもケロちゃんのことが好きだと聞きました。だから一緒に辞めるの?いい機会だと思ったの?

それはそれでちょっと悲しいけど、一緒に美しく、退団していきましょう。

       ☆

私信:緑野師匠、私もあの後ろ姿は、辛くて辛くて。特に15日夜の回のフアンの赤い衣装で階段を降りる後ろ姿には「行かないで!置いて行かないで!フアン!」と呼びかけてしまいました。

愛に包まれ幸せに

2004年11月15日 宝塚
汐美真帆ディナーショー2日目、行ってきました。

結局、昼の部も夜の部も行って、皆勤です。我ながらまさか3回も行くことになろうとは思わなかった。でも行って良かったです。

今、ここを読みに来てくださっている方は、少しでも早くDSのことを知りたいと思っておられると思うので、書きたいとは思うのですが、すみません。もうダメです。

今日、ここまで来るために、精神的に相当参ってます。実は。

理由はやはり息子です。息子の体調が崩れたら、もう私はケロちゃんに会いに行けなくなる、その恐れと戦い続けてきました。

毎朝、目が覚めると息子の額に手を当て、発熱してないかを確かめるのが日課でした。毎朝体温を計るのも保育園登園時の義務。これも毎日ドキドキ。送っていって帰って来るまで、保育園からお呼出がかからないか、仕事中も精神的に休まる時間がありません。

夜、食事をさせて、寝かせ付けて、でも夜中に寝言なのかうなされているのか目を覚まします。発熱していると夜中に激しくぐずって目を覚ますものなので、こちらも飛び起きて、息子の状態を確かめねばなりません。ですから熟睡することもできません。

仕事も大変忙しく、慣れない課題を与えられ、頭を抱え、胃を押さえながら仕事してました。もちろん、家事もあります。真夜中に洗濯、料理です。やらねば汐美さんに会いにいけません。

それが、やっと今夜で終わり。こちらでの汐美さんの活動の終わりとともに、ちょっと一息つけそう・・・そう思ったら、自分の中の糸がぷつんと切れてしまった感じです。

すぐ、糸はより合わせて、また書きたいのです。自分が忘れてしまわないうちに。

でも、今日、書けることはちょっとだけ、です。ごめんなさい。

とにかく3回目の夜の部のお客さまがすごかった。公平理事長の横にわたる&檀夫妻ときんさん。その隣のテーブルにはしぃちゃんやまとぶん辺りの学年の生徒さんたち。逆の隣はとうこちゃんやえんでぃたち。その前のテーブルは月組のちずさんたち。その隣は清十朗さま。

星組生、今日はお仕事だったはずのうめちゃんもいました。他の若手の子たちも。星組生ほとんど全員来てるんじゃないの?って位。ディナーが終わってショーから後ろの椅子席ににすずみんやことことも来ていたし、藤井先生、齋藤先生も。景子先生もいらしていたとか。

端の方のテーブルには月組の若い子たち。前方真ん中のご家族の席には夢くんもいました。

月組生、実は「血と砂」メンバーだったのですね。のぞみちゃんやるかちゃん、たまこちゃんも見ました。麻吹さんとかもいたそうです。るいちゃんもいたし。他にもさららんや退団したプラチナちゃんたちもいました。

驚いたことに、ゆうひくんがディナーの最後からちずさんたちの席にやってきました。昨日も来てたのに!自分のバウ始まったばかりで、毎日2公演やってるのに。ありがとう。来てくれて。昨日、3階で降りたのは、やはり楽屋の方へ行っていたようです。

ケロちゃんの宝塚での最後の公演を、彼女を包んでくれた星組や月組の人たちが見届けてくれたのだ、そう思えて嬉しくなりました。

ケロちゃんも挨拶で「幸せ」という言葉をつかってくれました。

私の願いは、ケロちゃんが幸せでいてくれることだけです。

なんとか泣かずにステージを終えたケロちゃんですが、もう最後、アンコールの拍手に応えて袖から顔を出す度に、涙、涙で顔がぐちゃぐちゃになってました。

可愛かったです。

ここまでよく頑張った、耐えてたんだね、と思いました。お疲れさまでした。いい舞台、みせていただきました。

もう明日は今度こそ最後の集合日。最後のその日まで、汐美さんが幸せでいられますように。
汐美真帆ディナーショー「Good Bye,Good Guy, Good Fellow」1日目。

よいDSだったと思う。しみじみと。オギーの泣かせのひねった演出が入っていたわけではないけど(例えば「Over the Moon」のようにとうこちゃんに歌わせたり)、私(たち)が見たいと思っていたケロちゃんの姿は見せてもらえたと思う。

サヨナラショーとディナーショーのミックスされたもの、そんな感じ。

        ☆

今日は月組ゆうひバウも観てきたけど、その感想はまた後日。

        ☆

それから!緑野師匠の日記のカウンターが回る原因になった、検索のモトは、何となくわかってきた感じ。

しかし〜、私の方も、なぜかある同じ検索ワードで来られてる方が最近多いのです。多分、汐美さん退団に寄せて、私が書きまくってるからだと思うのですが・・・あのー・・・ワタシの日記は決してレポートではないので、思い違いや思い込み、ありまくりですので、決してそのまま信じないでくださいね。音を聞き直したりしてないし、汐美さんがお茶会等で言ったことも、「ワタシはこう受け取った」ってことですのでニュアンスとか、人によって違うと思いますし。くれぐれもよろしくお願いいたします。読んでいただけるのはとっても嬉しいです。

        ☆

DSの会場は「宝寿」。フェアウエルパーティの時のしん、としたゆとりある白い空間は、今回はぎっしり隙間なく並べられたテーブルと椅子、そして熱気に包まれていた。

汐美ファンが一堂に会していたようで、あちこちで「お久しぶり」の声が飛び交う。

月バウの後に、緑野師匠と軽く食べてしまったせいか、緊張しているせいか、ディナーもお腹一杯な感じで、味もあんまりしない。

食事が終わる頃に、会場の一番後ろに椅子が並べられた。食事の時から、宙組若手やかのちかちゃん、れおんくんが来ていたようだったが、椅子席には月組生が。城咲あいちゃんとかいた。ひとり帽子と眼鏡の人がいて、誰だろうと思ったらゆうひくんだった。

ステージはステージの上にさらにもう一段高い台が組まれ、後ろにはDSタイトル入りの幕がかけてあった。

そしていよいよショー。ここからはランダムに。

・汐美さんは余裕があった。最初のDSの時のように、センター慣れしていなくて落ち着きがなかったりすることもなく。舞台の真ん中にいることを堂々と楽しんでいたように思う。早変わりも難なくこなして。歌もしっかり歌って。これだけできるのに、どうして辞めないといけないんだろう・・・。

・一番最初に耳慣れた曲が聞こえたのは「巌流」の「地上の龍」。客席を練り歩きながらだった。意外。けっこう思い入れのある曲と思っていたから、ステージ上で熱唱するかと思っていたのだが。

・「夜更けにお散歩〜♪」の歌詞。よく考えたら「ゼンダ」の曲だった。

・メニュー表を兼ねたカンタンなプログラムに「Something Anything」とあって嬉しかった。まみさんのCDに収録されているシューマッハの曲。まず4人の女の子たちが歌って、コシノ先生の衣装(多分)で髪を逆立てて出てきたケロちゃんも歌う。

・「ルパン三世のテーマ」の次に、「LUNA」の「スペシャルセミナー」。これが持ち歌だっていうのが何となくおかしくて。そして懐かしくて。もちろん振り付き。

・フルートを吹くマネをしながら「THE ROSE」。いい演出だった。

・そして、あの「血と砂」のフィナーレの血の赤の衣装を着て、「血と砂」。もう一度生で聞けるなんて・・・嬉しかった。あの当時、極限まで痩せていたから、この衣装を今また着られるかな?なんて思っていたけど、ちゃんとすっきり。前より綺麗に着られていたかもしれない。欲を言えば白いマタドールも見たかった、な。「我が人生幕が開く(スペイン語)」の掛け声もあった。この辺りで自分の体温が高くなっていくのがよくわかった。

・アナジのお父さんの歌(?)に続いて、「心中」の歌。難しいだろうに、感情込めて歌い上げていた。

・ラテンになって、紫の総スパンの衣装。その後は真っ白の衣装。よく似合っていた。

・「JFK」の歌、それから「夜のボート」。シシィは南海まりちゃん。すっごく良かった。まりちゃんとはプログラム前半でも、ステージの台の上で絡む場面があって、上品な色気があってとても良かった。

・このDSのためのテーマ曲「Good Bye,Good Guy,Good Fellow」があって、前のDSのテーマ曲「Platinum」でおしまい。

挨拶もカンタンにあったけど、「あと2回、もっと頑張ります」みたいなことを言っていた。でも今日しか来れない人、たくさんいるんだよー、可哀相に、なんて思ってしまった。

汐美さん、今日は泣いてなかったと思う。

一曲だけ、歌いたい曲があると言っていたが何だったのか、という話は出なかった。「Platinum」のような気もするし「夜のボート」の気もするし「JFK」のような気もする。

帰る時、エレベーターに乗ったら、ゆうひくんがいた。途中、3階で降りていった。3階に出演者の楽屋でもあるんかな?スタッフの控え室は5階だったんだけど。

とうこちゃんやわたるくん、檀ちゃんは明日かな?宙組も来ようと思えば来れるはずだから、たかちゃんとか来ないかな〜?

とりあえず、こんなところ。

プレミア席

2004年11月13日 宝塚
私は千秋楽のチケットは、プレミアで買った。

あっさりと。

迷わなかった。まみさんの時、精一杯頑張って2階7列だったのだけど、それでも大階段の上に立つまみさんが見えなくて、なんとなく悲しかった。

だから、汐美さんの最後は、1階で観たかった。大階段を見上げる位置に座りたかった。

ラッキーなことに、手に入れた籍は通路横で、目の前を遮るものもなかった。どれだけ前でも、前の席に背の高い人が座ったり、観劇慣れしていなくて背中を浮かせたりする人が座ってしまうと、観たい場所が見えないのは同じ。

今回は、観たい場所がいくらでもストレスなく見える。そういう意味で心残りない席だった。

だが、気になっていたことがあった。前過ぎるのではないか、ということ。

私などのような、初心者のファンよりも、入り出もほとんど行かないようなファンよりも、前に座るべき人がいるんじゃないか。いくらプレミアだからといって、許されるんだろうか・・・。気にしていた。小心者だから。

だが、実際に席についてみると、見知った顔の方が、私の周囲の席のあちらにも、こちらにも。皆、プレミアを手に入れたり、根性で並んで手に入れたりされていたようだった。よかった。私だけじゃなかった。

いいよね、最後だもん。自分で自分の席を選んでも。

いよいよ、最後の汐美さんの大劇場の舞台の幕が開く・・・。

       ☆

最初の登場の位置は、オペラですぐ捉えられる。赤い衣装、着たきり雀なんだけど、美しくてキレイ。

マイクの感度がいいのか、玄宗を讃える歌で、汐美さんの声がよく聞こえてくる。

相変わらず、立っているだけの間も、他の人のセリフに細かく表情を変えている。とうこちゃんの安禄山が踊ると、油断ならないといった感じの目つきで、とうこちゃんを追いかける。

幕前のしぃちゃんとの芝居。どこかの記事で言っていたように、2枚舌の腹黒さのようなものを出そうとしていた。

この芝居、後ろで見ると、いや、どこで観ても、どーしよーもない駄作なんだけど、5列目以内で観ると、マシな芝居に思えてしまうのだ。ケロちゃんだけではなくて、いろいろな人が細かい芝居をしているのがよくわかるから。例えば、銀橋で玉環が玄宗に連れ去られた後の会話、「そんな立派な方が・・・」檀ちゃんの指先が細かく震えていたりする。そういうことに気がついてしまうと、まだ「あれ?以外と駄作じゃない?」なんて思えるのだ。

楽のお楽しみ(?)アドリブは、不老長寿の薬の場面。もともとここはなんでもないシーンだったのに、ケロちゃんの力技で笑いを取れる場面になっていた。

まず、とうこちゃんがオウムの腹話術。「ばんざいばんざい、千秋楽ばんざい」「お前の声に似ているな。もう一回」「ばん・・・」「もういい」。

劇場中が笑ってしまって、その後、とうこちゃんが悠然と退場しても、高力士が「お心を許されませんように」といって、全てウケてしまって笑いが巻き起こる。

不老長寿の薬はケロちゃんが「皆が試してみたいと」。打ち合わせてあったのだろう、従者達まで皆手を上げる。「ダメだ、私の分が無くなる」「では、高力士に試してもらってみては」。いつもは一人で笑いを取っているケロちゃんだが、今回は皆で。

みっこちゃんまでが、アラビアの国使への親書は「思うは宰相のことばかり・・・」ときたもんだから、もう大笑い。

よくその後、真面目に芝居に戻ったなぁ、と場をひっぱるわたるくん、エライ!

その後は淡々といつも通り芝居が進む。この辺りから眠くなってくる。いつもきっちり睡眠時間に当てていたせいで、楽だというのに反射的に眠くなってしまうのだ。

なんとか髪飾りのシーンも見届け(・・・たと思う)、陳貴妃(オウムのこと)も殺され、戦闘シーンへ。

大セリ上で戦っているところ、とうこちゃん、ケロちゃん、みっこちゃん、えんでぃの77期そろい踏みだった(+すずみん)。

銀橋に出たわたるくんを迎えに行くケロちゃん。「陛下!」と言う。わたるくんをかばい、とうこちゃんには「安禄山め!」と言い捨てる。勝手にセリフ増やしてます。

幕があき、最後のシーン。

玄宗を説得するセリフ。いつも以上に心の底からの辛い気持ちと説得しなければならないというせめぎ合いが感じ取れた。

玄宗と楊貴妃を引き離す辺りで、目がうるんでいたように思う。いや、もしかすると、一番最初に登場したところから、目がうるんでいたかもしれない。

楊貴妃が殺されるところで、手を合わせ、呟く。いつもなら「・・・どうか」だけなのだけど、今回は「皇帝陛下!」だった。これが、ケロちゃんの大劇場最後のセリフだった。

ゆっくりと左袖に消えて行く人の姿を見ていた。

そこまで見終えて私の集中力は切れてしまった。目の前で美しいシーンが繰り広げられているのぼんやりながめていた。

幕が降りた。

       ☆

千秋楽の入りは見たいと思っていた。もちろん。でも、あまり早すぎると行けない。息子を保育園に送ってからでないと行けないから。

前日の出が済んでからでないと、時間はわからないので、じりじりしながら日付けが変わる位まで待っていた。出に行っている友人にメールをし、教えてもらう。9時15分スタンバイ。なんとか間に合う!良かった!手紙も手渡しできるということで、慌てて夜中に書き上げる。

翌朝、息子を保育園に連れて出る。途中、盛大に鼻水が出て慌てる。発熱しないでね!お呼出がかかりませんように!

9時10分頃に花の道のところに着くと、白いウエアを着た人がずらりと並んでいた。すごい数。

一番最後に並ぶ。まだまだ人が来ていた。とうこちゃん他、他の星組生が入り、ようやく汐美さん登場。真っ白な上下に頭に白い冠、背中に羽根のようなものを背負っていた。

ひとりひとり、お手紙を渡す。一番端だったので、時々巻き起こる笑い声の理由はわからなかった。が、最後にどうも、とうこちゃんたち生徒が紛れて、お手紙を渡したらしい。 

全員で楽屋口前に移動。普段なら全員ゆっくり一番前に一列で並べるのに、やはり3重になっても入りきらない。汐美さんも次から次へときて、楽屋口前に並びきらないファンの姿を見て、驚きつつ、嬉しそうだった。 

全員で掛け声。前もって紙がくばられていた。

そんな姿をビデオ撮りしていたのは、既に退団されたちー坊さんだった。

楽屋入り口で振り返る。手を振る。

まぎれも無い、スターさんの退団の入り、だった。 

11日の続き

2004年11月12日 宝塚
そして黒燕尾。みっこちゃんとお揃いの白いコサージュをつけて出てきた。劇場中から拍手。ああ、いよいよ、ここ辺りから普通のショーでなくなる。退団するんだと思い知らされる。

いつも通り、いやいつも以上に優しい顔でみなみちゃんを見つめている。みなみちゃんも優しい笑顔で見返してくれる。

ダンスが終わると舞台上の人たちからも拍手が沸きあがった。

銀橋に出る。客席のあちこちをしっかり見ながら。わたるくんとにっこり、顔を見合わせてからポーズ決め。雷。今回は、わたるくんと檀ちゃんの間で両手をつないでハケて行った。

あの後、泣いていたのか・・・。

青の洞窟のシーンがあって、いよいよフィナーレ。

リアルト橋の向こう、水色の子たちの隙間から白い衣装が見える。前へ出てソロ。花はなし。拍手。通り過ぎる壇ちゃんに一瞬心奪われる。千佳ちゃんという恋人がいるのに。そのケロちゃんに狙いをつけるディアボロ。千佳ちゃんを篭絡し、引き離し、近づいていく。でもケロちゃんはにこにこと、愛しそうにとうこちゃんを見ていた。まだショーの最中だというのに。役になってないといけないのに。このショーの間中、やたらとニコニコしていたけど、もうここでホントにニコニコ。とうこちゃん、困惑と哀しさで顔がゆがんでいた。ゆがめながらもしっかりと手を握り合う。

銀橋に出てからもニコニコ。ここにきてからは、とうこちゃんもすっかりディアボロであることを忘れていたようだった。ポーズを決めてから、とうこちゃんと軽く挨拶を交わしあいながらはけていく。

大階段にわたるくん。大階段が小さく見える。すごいなぁ。

下手からスパニッシュの衣装のケロちゃん。相変わらずとてもキレイ。踊りが終わると、わたるくんが「お疲れ様」というように肩を叩いていた。でもここでも花無しなのだなぁ。

わたるくんのソロ(よく聞くとすごい歌詞)が終わり、大階段の上に黒エンビの人の姿が見える。降りてくる。スポットが当たる。歌う。降りる。一礼。「ありがとうございました」とつぶやく。あれ?また花なし?

その後降りてきたみっこちゃんは赤い花のコサージュをつけていた。

一度袖にひっこみ、また出てきて並ぶときにはつけているかな?と思ったがやっぱりつけていなかった。忘れたのか〜!?

銀橋に出てからも、ケロちゃんは終始笑顔。大劇場内をゆっくり、しっかり見回す。もうこの場所から客席を見ることはない、この光景を焼き付けようとするかのようだった。銀橋から帰るとき、並んでいる下級生の顔をひとりひとり見て、目を合わせていた。ありがとう、とでも言うように。

幕が降りる瞬間まで、私はケロちゃんだけを見つめていた。

組長が幕前に出てきて、挨拶と本人からの手紙を読む。・・・・全然普通じゃなかった。自分が入団してからの道のりを紹介したり、退団の理由やきっかけ、好きだった役、今後の予定などを言ったりするのだが・・・・なんつーか、今自分が感じていることを書きました、というもので、具体的な内容も今は思い出せない。ある意味、とてもケロちゃんらしい手紙だったけど。みっこちゃんのは普通に普通のお手紙だった。「ダンスが苦手なのにダンスの花組に配属されて辞令を破ってなかったことにしようと思った」とかあって笑ってしまった。

幕が上がる。

最初に降りてくる。組長が「ケロー!」と呼ぶと「はーーーーーい」となんだか高い声で返事していた。

最後の階段降り、踏みしめるようにゆっくり、降りてきた。

組からのお花は檀ちゃん、同期からのお花はえんでぃ。しかしこれがまた、本人のイメージとはちと(かなり)違う、花かごとブーケを組み合わせたもので。あれって本人のリクエストらしいんだが。やはり最後まで自分のことはよくわかってなかったのかもしれないなぁ。

挨拶の最初、沈黙してしまった。言ったら泣いてしまうのをこらえているように思えた。「感謝したい人がいる」といったとき、家族か、まさか婚約者でも出てくるかと思ったが、組長・・・と始まって、同期のひとりひとりの名前を呼び、舞台の上の人に挨拶していった。なんとか泣かずに最後まで挨拶できていた。というか、最後に気を取り直すようにDSの宣伝で締めくくられてしまったので、こちらも笑ってしまった。

だがとうこちゃんはどうもこの頃から泣いていたらしい。頬に涙が伝って光っていた。

歌が始まると、とうこちゃんはもうボロボロ。ケロちゃんが右手でとうこちゃんの左手をしっかり握り、励ましていた。そのケロちゃん、泣かずに終われるのか?と思っていたが、やっぱりよく見ると、涙が頬を伝っていて、泣いていた。とうこちゃんの手を握ったまま、下のほうで手を振っていた。

幕が降りる。

また上がる。まだ手をつないでいた。

わたるくんの挨拶は、笑いを誘い、そして暖かさに満ちていた。ありがとう、わたるくん。

再度幕が上がる。今度は手を離して、わたるくんが退団者二人を前へ押し出そうとした。だが、二人はマイクもつけてないし、どうしようといってる風だった。わたるくんが挨拶して、最後の幕が降りた。

あたたかい楽だった。ケロちゃんが幸せそうだった。よかった。

檀ちゃん

2004年11月11日 宝塚
フェアウエルパーティで撮っていただいた2ショット写真(ポラロイド)は、会員証と一緒に仕舞い、その後一度も見ていない。見るのがイヤ。

だって、隣に美しくないものが映ってるんだもん!ケロちゃんの顔を見ているのはいいんだけどねぇ。一歩下がっていればよかったよお。顔はでかいは、ぼやんとしてるは。確かに2ショット撮って欲しいって、申込書に書いたし、撮ってもらえると聞いたときはめちゃくちゃ嬉しかったけど。ううう。

いつ撮られても美しいジェンヌさんて大変な仕事だなぁ。ケロちゃん、辞めてもシャープなままでいてね。太らないでね。

フェアウエルパーティの本当の名称は「ファイナル ティー パーティ」だったようだ。ま、私がここで書いていることは、その程度の正確性しかないってことで。私というフィルターを通して見た光景の記録というか記憶の再現。

緑野師匠!今はまだ書けなくてもいいですから、千秋楽のこと、書いてくださいませ。緑野師匠のフィルターを通してどう見えたか、教えてください・・・。

               ☆

芝居が終わり、いよいよショー。

サヨナラムードで一杯になるんだろうな、と予想していた。どの場面でも退団者はお花をつけるとか聞いたこともあるけど、と思いながら幕開けを待つ。が、最初の緑のアルレッキーノでは特に何もつけていなかった。

わたるくんがリアルト橋を降りるとき、いつもケロちゃんが差し出した手を触っていくので、楽はどうかな、と思っていたが、いつもどおり、さらりと触れていった。

ごく普通にシーンは進む。ただ、相手役のももちゃんがにっこり、極上の笑顔だったことが印象に残っている。

このシーンの最後、ディアボロのとうこちゃん以外の人たちが、ストップモーションがかかって止まる。とうこちゃんは真後ろで止まって右手を上げているケロちゃんのその右手に触れながら、周囲を回り、また人々が動き出す。いつもは腕を撫でていく程度のことが多かったのだけど、楽ではしっかり、手を合わせて握ってから離れていった。

ひとり舞台に残ったとうこちゃんが歌う。いつもより強く強く、聞こえる。見送らねばならない、同期、ケロちゃんへの想いをこめているように聞こえた。

花市場。上手から現れるケロちゃん。私の思い違いかもしれないけど、ひとり、一番強いライトが当たっていたように思う。最後だから?
その後もトップ用のピンライトをかなり当ててもらっていたような気がする。スタッフさんも惜しんでもらえているのだと、嬉しかった。

ソロが始まると当然大拍手。

いろいろな人と親しげに視線を交し合う。ゆかりちゃんと絡むシーンでは、しっかりと抱き合っていた。大セリの上に上がり、花売り娘からペンダントをもらっていた。でも街の女にくっついていってしまうのね。

場面の雰囲気がいつの間にか変わっていく。

セットの中、アーチ状の門の下でドルチェ・ヴィータの檀ちゃんが、街の男のみっこちゃんに近づき、赤いバラの一輪を頬に、そして熱い口付け。サヨナラの楽ならではの一場面だ。

盆がまわり、コーザノストラ登場。こんなにキレイなのに辞めちゃうんだ。この場面でも花はなし。コーザノストラでつけてたらおかしいけどさ。

一度引っ込み、帽子を取って幕前からしぃちゃんと登場(しぃちゃん、確かにもみあげ頑張りすぎ。ひどいわ!浸ろうと思っていたのに、つい見ちゃったじゃないか!)。ここで女ボスのシビさんににやりと挨拶したり、しぃちゃんと話したりと小芝居やっているのだけど、今回も。毎回一体何を話していたのだろう。

サテュロスに翻弄される場面。よく身体が動いている。ここの振り付け、集団で踊っていても一人違う振りが混ざっていたりして、なかなか難しいんじゃないだろうか。

左袖にはけて、再び登場。ドルチェ・ヴィータの檀ちゃんに魅入られたのは、わたるくんだけじゃない。コーザノストラたちも。切なそうな表情で檀ちゃんに絡む。いつもはここでケロちゃんは突き放される。次にしぃちゃんが檀ちゃんと絡むのだけど、後ろから抱きしめて首筋に顔を埋めるような振り付けがあって「それ、ケロちゃんにやらせてくれー!」と思っていた。

だが、今回は、最後、檀ちゃんが突き放すところで、両手で檀ちゃんがケロちゃんの顔を包み込み、キスしていた。

もう心臓に来るような色気、フェロモンシーンだった。こんなの、観たかったのだ。

私がケロちゃんを見るようになってから、トップさんはまみさん→りかちゃん→わたるくん、と変わっていったけど、トップ娘役は間にえみくらちゃんがいただけで、ずっと檀ちゃんだった。とても幸せなことだった。

私は檀ちゃん大好き。美しいから。確かな存在感と色気があるから。歌やダンスが下手といわれるとそうかもしれないけど、全く気にならない。ダンスと歌が上手な娘役なら他にもいくらでもいる。でもあの檀ちゃんの存在感は唯一無二のものだ。誰も彼女とは替われない。歌劇団が檀ちゃんを星組娘役トップとして返り咲かせたのは英断だったと評価できる。

檀ちゃんがすごいのは、その存在感があっても、相手役を殺さないことだ。相手役の男ぶり、株を上げてしまうことだ。殺されてしまうくらいの男役なら、相手にもならないんだけど。

私の個人的意見だけど、えみくらちゃんは誰とでも合いそうなのに、りかちゃんとは合わなかったと思う。残念ながら、りかちゃんの魅力をアップすることができなかった。えみくらちゃんと組むと、りかちゃんのアダルトな部分はぼやけてしまった。えみくらちゃん自身、ショーで路線男役を率いて踊る場面などは難しいタイプだったろう。

りかちゃんと合わないということは、ケロちゃんとも合わないということだ。お兄さん、としてしか存在できないのだ。えみくらちゃんが中心の場面では、そういう色しか出せないのだ。

それでは、ショーでケロちゃんの色気あるシーンは見られない。事実、りかちゃん時代の月組のショーは記憶にすら残ってない。

前に、辞めるときのトップがわたるくんでよかったと書いたけど、トップ娘役は檀ちゃんでよかった、と心から思う。檀ちゃんがいなければ、こんな場面はなかったし、このショーそのものがなかったろうから。

ありがとう、檀ちゃん。
そして場面は進み、檀ちゃんに堕ちたわたるくんがセリ下がる。一歩遅れてセリ下がるとうこちゃんのすさまじい表情。渾身の顔つきだった。

場面一転、船上のシーン。

セレブのわたるくん、楽では何をしてくれるかな?とわくわく。ケロちゃんの待つ銀橋付け根までくると、胸に差していた赤いバラ一輪(檀ちゃんがみっこちゃんに渡したのと同じみたい)を取り、軽くキスしてケロちゃんに。喜びのあまり、その場に倒れる航海士。

船上で、いつもはまとぶんがモテモテ。最後くらいケロちゃんモテモテにならないかな?と思っていたのだけど、それは無理だった。がっくり。振り付け変わるからしょうがないか。でもいつもはイヤイヤ相手役をやっている(振り付けだけど)仙堂さんがニコニコして組んでくれていたのでまあよし。

         ☆

あああ、まだ続くのに字数が足りない!

月と星と東と西と

2004年11月10日 宝塚
昨日の続きをちょこっと。

・みっこちゃんが最初に話をした同期はケロちゃんだった。そして最後も一緒になるとは、と。
ケロちゃんは「私の方が先に(楽屋を)出なきゃ行けないのに、先にお風呂に入ったはずの私より、後に入ったみっこちゃんが先に上がってしまって焦った」と言っていた。
・とうこちゃんとは「ケロとはずっと一緒で、音楽学校のお掃除場所から、雪組行って一度別の組になって、また同じ組になって、と不思議な縁があった。音楽学校の前のバレエ教室も一緒だった」とずっと縁があったことを語り合っていた。とうこちゃんが「皆さん、その前の14歳のケロは知らないでしょ」と、自分がその姿を知ってることを得意そうに私たちに向かって言っていたのが可愛かった。「最初に会ったとき、こういう人が宝塚入るんだな、と思った」と。「顔が男役向きだから」という理由だったと思う。

えんでぃが何を言ったかどうにも思い出せない。MDを聞けばいいんだけど、なんだか聞きたくない気分。だから書いてる内容は正確じゃない。私が聞いて感じとったことだ。

ありあちゃんがケロちゃんに「早くこっちの世界(退団者)にいらっしゃ〜い」とふざけて言う。「もうすぐだから」というようなことをケロちゃんが言ったと思う。

決して寂しい雰囲気ではなかったのだが、ずきっ、ときた。寂しかった、私は。

行ってしまうんだ、あっちの世界に。あと1ヶ月と半分で。

         ☆

公演が終わって、のんびり立ち上がった私は、回りにいたはずのケロファンの姿がほとんどない事に気が付いた。

そうだ、出に行かないといけないんだ。ガードだ。

でも何時に出て来るかわからないから、トイレでも行っておかないと、とのろのろしていた。

途中、号泣してしまってよろよろしていた友人(緑野師匠ではありません)をピックアップ。私は相変わらず一滴の涙も出ていなかったけど。他の友人とも合流し、会の列の一番最後につく。

白い服の集団が並んでいて、一体どこがスタートかわからない。とりあえず、今の位置だと、楽屋出はまず見えない。そういうものだけど。

おしゃべりしながら、待つ。暑くもなく、寒くもない、とても気持ちのいい夕暮れだった。誕生日、お茶会と雨にたたられた汐美さんだったが、最後は神様がしぶしぶ許してくれたのかも。

緑野師匠から、カウンターでもらってきてくださったDSのチラシを受け取る。ありがとうございます。

会から掛け声のセリフの紙が配られる。

楽屋口の方を見ると、劇団の人や赤い警告棒を持ったガードマンが花の道からみている人や、劇場側にいるいろいろな会の人たちを整理していた。千秋楽の出を見るなんて、贔屓退団以外はしないから、普段はどうなっているのか知らないけど、スターさんが辞めるんだな、ケロちゃんはスターさんだったんだな、と思えて哀しくも嬉しかった。

事実、花の道にはずらりと人垣ができていて、電話ボックスよりもまだまだこちらまで人がいた。みんな、ケロちゃんの大劇場の最後の出を見にきてくれたのだ、と思ってもいいよね?

そのうちに、楽屋口のいつもはトップさん会がいる位置に全員で移動する。しゃがんで待つ。楽屋口の正面の一番いい位置には、一般のカメラを持った人たちが立っていて、私たちは全く見えなかった。

向かいの花の道にいる人たちが一斉にカメラや携帯を上げるので、誰かが出てきたのかな?と気配を察することができた。

そしてしばらくして・・・楽屋口に強いライトが当てられた。スカイステージの照明らしい。必死に身体をそらせて楽屋口を見ると、楽屋口横のドアが開いて、生徒さんらしき人たちが出てきていた。歓声が上がり「出てきたよ」と伝わって来る。

緑の袴の汐美さんが見えた。

舞台化粧を落とし、すっきりと髪も整え、美しく薄化粧したケロちゃんは、緑の袴がそれはよく似合っていた。あの可愛いアレンジの花を持っていた。

花の道と楽屋口の間、会の前を少し歩き、挨拶。ファンからの掛け声。投げキス。白い花で飾られた車がやってくる。乗り込むケロちゃん。いつもの出の時のように、長い腕を窓から出して振りながら、行ってしまった。

みっこちゃんの会に場所をあけ、スタッフさんからフェアウエルの受付時間を聞き、解散した。

後から知ったのだが、楽屋口に出てきたのは、月組バウメンバーだったそうだ。月組バウメンバー、つまりゆうひちゃんたちだ。

それを知った時、とても、嬉しかった。

今回、一緒にいたケロファンの友人たちは、かなり長いことファンをやってる人たちで、雪組時代のケロちゃんを知っている。主に関西の人たち。だから挨拶の後も「星組での歴史の短さを感じるね。東宝はまだあるけど大劇場の千秋楽で一区切りついたって感じ」と言っていた。

へぇ、そうなんだ。

私は・・・宝塚を見始めたのは「LUNA」からで、「ゼンダ」で汐美さんって人がいるって知って、東宝の「ソナタ」でまみさんの出
を待っていて偶然見た汐美さんの姿を見て舞台とのギャップに驚き、強く惹かれるようになった。頑張ってたくさん観るつもりだった「Practical Joke」にケロちゃんも出て欲しいなと思ったし、バウ初主演決定に喜び、「ESP」でまみさんを見送った。その後、汐美さんを追っかけてきた。

だから、私の中の汐美さんの歴史は、月組と星組でちょうど半分ずつ位。どちらの印象が強いかといわれたら、もちろん月組なんだけど、星組で幸せそうにしていた汐美さんの姿も印象深いのだ。

また、まみさんは舞台でファンになったので、入り出は全く興味がなかった。東宝は友人たちがまみさんの出を見るというので、一緒に凍えながら待っていた。その時、たまたま汐美さんの会の後ろにいたから、目の前で手紙を受け取り出した汐美さんを間近で見ることができ、ファンになったのだ。

東宝に行っていなければ、私は汐美さんのファンにはなってなかった。

だから東宝で出会った汐美さんの本当の最後は、東宝だという気がしている。

楽屋出を、仲の良かったゆうひちゃんたちが見送ってくれたというのも、嬉しかった。月と星に見守られて、大劇場を後にできたのだ。

汐美さんは幸せそうだった。私にはそう見えた。

白い会服を脱ぎ、私は友人たちと、パーティに向かって歩き始めた。

白い空間

2004年11月9日 宝塚
前の日記を読み返してみて、千秋楽とそれ以前の日記を書いていた時の気持ちが、全く違うことに気付く。千秋楽も公演のひとつに違いないのに、やはり全然違うものだったのだな。

哀しくないなんて嘘。自分が気がついていないだけ。千秋楽を乗り越えたのだという気分が勝っているだけ。これからじわじわ喪失感が襲って来る。最大の喪失感は、次の星組公演を観た時にやってくる。ああ、中日は観ない。そこまで私はマゾじゃない。観るとしたら大劇場公演。その1回目が最大限に辛いはず。2回目からはマシになる。かといって、その1回目は先延ばしにしたところで、やはり辛い。だからいつか覚悟して観なければならないだろうなと思う。

まみさんの時もそうだった。「大海賊」1回目が辛くて辛くて。でもあの時はケロちゃんがいたから、救われた。

今の私には誰もいない。

       ☆

思い出すのに時間がかからない、フェアウエルパーティから。

通常はフェアウエルパーティというのだけど、会場に行ってみると「Last Tea Party」とあった。会場内はテーブルがセッティングされ、まるでお茶会そのもの。「最後のお茶会だったのだな」と思う。

私の数少ない経験、つまり前のまみさんの時は、同じ会場に1200人が詰め込まれていて、テーブルはおろか椅子もなし!床に体育座りか正座していた。夏だったから段々空気が霞みだし、熱気と暑さでぼーっとしていた。

今回は、まみさんの時と同じ会場なのに、テーブルがゆとりをもって置かれていて、しん・・・と静まり返っていた。皆、まだ千秋楽の余韻にひたっているような雰囲気。FC会員限定(会員証の提示が必要で、焦って家捜しした!今まで会員証なんて使ったことなかったから)で、皆、白い服で統一していたから、会場全体が白く透明だった。

ご本人が来るまで、ビデオを観る。77期生が音楽学校に合格した時のニュース映像など。ケロちゃんが映るとみんなから歓声が上がる。

いやあ、若い。今の、本当にお美しい大人な汐美さんが、16年前はこうだったのか、と。可愛い可愛い。

花ちゃんやとうこちゃん、なるちゃん、コムちゃん、オサちゃんの顔も見える。つくづく、77期を採用した審査員たちの眼力はすごい。あの子たちが今ああなっているわけだから。

そうこうしているうちに本人が来られる。緑の袴にあのかご付きのお花を手に、テーブルの間を練り歩きながら、登場。舞台の上には椅子はなく、立ったまま乾杯。

ああ、かなり疲れてる。座らせてあげたい。

挨拶があって、その後、耳を疑うようなことが。なんと会場に来ている全員とそれぞれ2ショット写真を撮ってくださるというのだ。あのお花も重いだろう、身体をやや会員の方に傾けているのも辛いだろう、にっこり笑顔を続けるのもしんどくないだろうか・・・。ずっと見ていられる側としては幸せだけど。

途中中断し、お話があったりしているうちに、お客様が。お茶会がゲスト禁止になってから、こうやって会場でゲストを迎えることなど久々で、嬉しい。

とうこちゃん、えんでぃ、袴姿のみっこちゃん、星組の下級生二人(ちび武蔵、ちび小次郎かな?)、退団したありあちゃんとあと退団済みの同期生2人。

楽しい会話のあと、みっこちゃんのパーティに顔を出されるということで一旦退場。

またビデオ上映。

帰って来られて再び写真撮影。

終わった頃にはもう時間も残りわずか。質問コーナーも予定されていたようだったが、時間切れで、汐美さんからのお話があって、最後に出の時の掛け声ももう一度かけて、そしてまたテーブルの間を練り歩きながら、テーブルにできるだけ近付き、優しい視線を投げながら退場された。

お話の内容を覚えている限りで。順序も滅茶苦茶だけど。

・入りの時に被っていた冠(?カチューシャ?)はきんさんが作ってくださったもの。みっこちゃんのは宰相の髭のイメージ、私のはケロ(カエル)のイメージ。背中にしょってたのは、とうこちゃんとえんでぃが作ってくれたもの。時間がない中、指に針を刺しながら作ってくれた。
・入りに来た時、白い服の人がずらーっといてびっくり。こんなにも集まってくれているのかと驚いた。
・ディナーショーはかなりいい。荻田くんが泣かせてくれる。私のために曲を作ってくれたのだけど、音を取りながら歌詞を覚えないといけないのだけど、その度に泣いてしまって覚えられない。まだ振りも全部ついていなくて、出来上がるのだろうか、と心配。明日からはしっかりお稽古します。
・舞踊会の時、緑の袴を着て踊ったのだけど、次これを着るのは千秋楽なのだなぁと感慨深かった。フィナーレでながさんとちょっとからんだが、その時既にながさんも目に一杯涙をためてらして、あとで「反則ですよ」と言った。ゆうひはゆうひで感動した顔していたし(あれってゆうひちゃん、感動していた顔なんだ・・・)。
・今日は自分が自分でないようで、最後の階段降りの時も、名前を呼ばれて返事をするまでは自分だったのに、降り始めると自分じゃないような、でも降りてるのは自分なんだと。
・挨拶が考えられなくて、今日もちょっとでも時間があれば暗いところへ行って「挨拶考えてくるわ」と考えていた。でもお芝居のアドリブの方が気になって、なかなか考えられなかった。最初に「ありがとうございました」と言いたかった。

・今日、やろうと決めていたことがあって、白い衣装で最後に歌う場面で、とうこをしっかり見ようと思って見た。どうだった?(ととこうちゃんに聞いたのだが「私は舞台上ではまだディアボロなの!悪魔なの!銀橋に出てとうこになるから、舞台上では悪魔は反応できない」みたいなことを言われて苦笑していた。また外したのね、汐美さん)
・船上の場面、最後踊り終わった後、皆が拍手してくれてびっくりして感動して、あの後、袖で号泣していた。このまま次のシーンで歌わなきゃいけないのに、舞台に出られるのだろうかと思った。

とうこちゃんからは「今日は私はボロボロでしたね。私は退団を電話で聞いたのは宙組で東京公演に出ていた時で、みっこの退団は前から聞いていて、私が星帰るまで待っててね、と言っていたのに、突然ケロも退団で。電話で聞かされて1時間位“なんでよー、辞めるのやめてよ”とボロボロだった。私が見送ってもらうつもりだったのに」と。そうか、引き止めてくれたのか、とうこちゃん。でも止まらなかったんだね。
「(家が)近いんだから(大劇場に)また来るように」と言ったとうこちゃん、一応すみれコード(?)なので、口をふさいでました。そんなん、皆知ってるって(笑)。

ありあちゃんはご結婚されたそうで、今は幸せに暮らしておられる様子。「同期なのにあまり舞台上でからまなくて、絡んだのがやっと長春で、でもかなり無視されました」。ジャンに絡む看護婦さんね。

えんでぃやみっこちゃんが何言ってたか、はっきりとは思い出せない。記憶に頼るのはこの辺が限界か・・・。あ、みっこちゃんは「4人の中で、中卒は私とケロで、でも私たちの方が年上に見られることが多くて。退団の報告とか行くと、私たちが年下と訂正すると、退団することを叱られたりしました」だったかな。

ああ、もう記憶も限界だけど、字数も限界。

へとへと

2004年11月8日 宝塚
何から書けばいいかよくわからん。

あ、そうだ。まず、息子よありがとう。この数日、いや退団発表があってから、大劇場を初めとして、外出したい日、場所をピックアップしていった。わずか1歳6ヶ月の子を持ちながらのお見送りになるのだから、優先順位をつけていかねばならないと心に決めていた。行けなくても、諦めなければならない日が出て来るはずだ。だが一番行きたいと思っていたのが、この11月8日だった。

お願い、熱だけは出さないで、と祈るような気持ちだった。朝、熱を計って大丈夫だったがくしゃみとともに盛大に鼻水が出て焦った。もしかして昼間熱が出るんじゃないか、保育園からお呼出がかかるんじゃないか。

入りをしていても、千秋楽の開演を待っていても、終演後、出のガードに入っていても、パーティに向かって歩いていても。

それが私の気持ちを追い立てていた。

だが、一日、無事に過ごせた。ありがとう。帰るとぐっすり眠っていた。

そして、私は何を書けばいいんだろう。

入りにも行った、千秋楽は5列目から見ていた。出にも行った。フェアウエルパーティにも行った。

気持ちもいっぱいであふれんばかりだ。身体も疲れてなんだかよろよろする。

哀しい、ということは不思議とない。千秋楽の日に無事に行けたという満足感があり、そして汐美さんが幸せそうにしていたのが、嬉しかったから。

なんだか、ショーではいつも以上に晴れやかな笑顔で劇場中を見回していた。そこではまだ役に入ってなければならないだろう!?という場面でもうにこにこ笑っていた。

緑の袴で階段を降りてきたが・・・、挨拶も思ったことをそのままいっていて、好きな役だのは全く触れておらず、オトコ顔の舞台化粧に緑の袴がさっぱり似合っておらず、お花はこれまたレースと花かご付きの可愛いアレンジで(正直、研10までの娘役が持つようなデザイン)、せっかくみんな泣いてるのに、挨拶の締めはディナーショーの宣伝で。

まったくもう、どうも外してばかりの汐美さんが、逆に愛しくて。

パーティでは、ずっと立ったまま。本人も相当疲れていることがわかるのに、参加者全員とツーショット写真を撮ってくれて、ゲストに来てくれた星組同期、退団同期、下級生たちとも立ったままお話し、みっこちゃんのパーティにも顔を出し、私たちに語りかけてくれて。

私の望みは「汐美さんが幸せでいること」だけ。

私自身がどうしたいっていうのは、実はない。

だから、汐美さんが全ての瞬間、幸せであったろうな、と思える今日一日だったから、私は哀しくはない。

よかった。

ただそれだけ。

明日以降、少しずつ、今日のできごとを書ければいいなと思っている。

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